食品・外食関連銘柄 高い株主優待実施率が特徴
2017/04/05 14:32
神戸新聞NEXT
これまで10回以上にわたり、ジャンル別に上場株式の特徴を整理してきました。今回は締めくくりとして食品、外食産業を見てみましょう。
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食品株は東京証券取引所に100社以上が上場し、明治ホールディングス、日本ハム、味の素などが日経平均株価の採用銘柄です。経営は比較的安定していますが、原材料価格の変動が業績に影響を及ぼします。
東証にはファストフードのほか居酒屋、ラーメン店など多くの外食チェーンも上場しています。同業他社との競争は激しく、時には業績不振に陥る銘柄も見られます。
食品、外食関連の銘柄に共通する特徴は、株主優待の実施率の高さです。野村インベスター・リレーションズ(IR)の調べでは、食品株や外食を含む小売株は8割前後の銘柄が優待を行っています。一方、医薬品株や電機株は2割以下です。
野村IRのアンケートによると、日清食品ホールディングスやダイドーグループホールディングス、日本マクドナルドホールディングスが提供する自社製品詰め合わせや食事券などが投資家の人気を集めています。
日本マクドナルドは期限切れ鶏肉の使用などが重荷となり、2014、15年に純損益の赤字を計上しました。ただ株価は総じて底堅く、優待目当ての買い注文が相場を支えたと言われています。
人口減少で国内の需要が伸び悩む中、食品、外食業界では積極的な海外展開で成長を目指す動きが盛んです。ハウス食品グループ本社は中国でカレールーの販売を拡大し、吉野家ホールディングスは海外店舗数を順調に増やしています。
海外企業の合併・買収(M&A)も活発です。ただ過去には食品大手が新興国で買収した企業の業績が悪化するなど、経営の足を引っ張る局面もありました。市場では「日本企業による海外子会社のコントロール能力には不安が残る」(資産運用会社)との声もあり、海外事業が落とし穴にならないかどうかは今後も注目されそうです。