債券市場の歴史 主にプロの投資家が参加
2017/11/01 11:53
神戸新聞NEXT
国債や地方債、社債といった債券が取引される市場が債券市場、または公社債市場とも呼ばれています。株式が売買される株式市場とともに、証券市場の中核を構成しています。
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債券市場は国内と海外にありますが、日本では「日本国債10年」の流通利回りが注目されることが多いようです。市場には機関投資家や金融機関など主にプロの投資家が参加しています。
歴史を振り返ると、12~13世紀ごろにイタリア北部の都市国家で政府が債券を発行したのが最初であると言われています。株式の発行より数百年前のことです。
当時は、国王が国の運営のために商人からお金を借りることがありました。ただ、王が代わると返さないということもあったようで、それを防ぐために政府や議会が返済を約束して債券を発行し、商人らに売るという形になったようです。
日本では近代化を進めていた明治政府は収入が不安定だったため、近代化のための資金を国債などに頼らざるをえなかったといいます。最初の国債は1870年、鉄道建設のためにロンドンで公募されたと言われています。
その後は、軍事費をまかなうために国債発行が増加。第2次大戦などの混乱を経て、国債の発行額が税収を上回るようになり、戦後のインフレの原因になったともいわれています。
政府は財政の均衡を図るための努力を続けてきましたが、オイルショックや震災などが原因で赤字国債や建設国債が発行され、国債の発行額はさらに増えていきます。
国債はいわば「国の借金」にあたります。国債を発行するということは、国が買い手(投資家)からお金を借りるということです。
国の借金が増え続けると、公共サービスの低下や将来の増税につながるという恐れも出てきます。私たちは国債発行の動向に注視していく必要があるでしょう。