国内の四半期統計 GDP、日銀短観に高い注目度

2017/11/29 14:29

神戸新聞NEXT

 今回から市場に影響を及ぼす経済統計について見ていきます。まず国内で3カ月に1回発表される主な指標を紹介します。内閣府が発表する国内総生産(GDP)や日銀の企業短期経済観測調査(短観)の注目度が特に高く、国内経済の基調を判断するのに役立ちます。投資方針を考える際にも参考になるでしょう。 関連ニュース 経済改善で利上げ「適切」 日銀・氷見副総裁、インフレ指摘 日銀、キャッシュレス納付を強化 収納業務、地銀の負担軽減で 日銀、年内に様子見解除も 関税巡り、7月会合で意見

 GDPはある国・地域で一定期間につくったモノやサービスの付加価値の合計で、国力を反映する重要な統計です。各国・地域が四半期ごとに発表し、日本が米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国だという表現もGDPをもとにしています。
 日本の今年4~6月期のGDP改定値は物価変動を除いた実質で前期比年率2.5%増となり、6四半期連続のプラス成長を維持しました。国内経済の改善傾向を確認できます。短観は日銀が全国の企業に年4回実施するアンケートで、主に景況感が良いか悪いかを尋ねています。10月2日発表の9月調査は大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス22で10年ぶりの高い水準となり、東京株式市場では好感する買い注文が入りました。
 DIは企業の規模別や業種別で細分化されており、景気認識の違いを知ることができます。9月調査では大企業の建設、不動産などの分野で好調さが目立ちました。
 企業活動の実態を表すのが財務省の公表する法人企業統計です。4~6月期の金融・保険業を除く全産業の経常利益は前年同期比22.6%増の22兆3900億円で過去最高を記録しました。四半期別調査と年次別調査があり、売上高や設備投資のほか企業が蓄えた「内部留保」に当たる利益剰余金も集計しています。
 財務省と内閣府が発表する法人企業景気予測調査は景況感が前の3カ月と比べて上昇したか下降したかを尋ねます。7~9月期は大企業の全産業の景況判断指数(BSI)がプラスに転じており、企業心理が上向いていることが分かります。

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