明石海峡周辺でとれる秋のマダイは別名「紅葉鯛」と呼ばれ、高値で取引される。オスもメスも身は厚みが増し、しつこくない上品な脂をまとう。漁師たちは明け方から海へ。鮮度が高い状態で港へタイを持ち帰るために、船の上から細かな工夫を凝らしている。
朝録
(25)エドヒガンの森 川西市
朝日を受け、薄紅の花が青空に映える。桜の野生種エドヒガン260本の大群落が、兵庫県川西市水明台1の猪名川沿い約7㌶に広がる。ここは数年前まで、常緑樹やササに覆われた暗い森だった。光を求めるエドヒガンは背を伸ばし、顔を出せた所で辛うじて花を咲かせていた。この窮地を救ったのが、地元住民でつくる「渓(たに)のサクラを守る会」だった。2008年から間伐に励み、遊歩道を整備した。