特区シリーズ第3弾は「長田」 下町にあふれる余情に迫る
2018/10/29 17:38
シャッターが下ろされ空き店舗=神戸市長田区
「長田ってどんなまち?」。そう聞かれて想起するもの。ぼっかけ、そばめし、鉄人28号、三国志、アジア、ケミカル、町工場、長田神社…。ある人が言った。「人情あふれる下町や」。確かに、住んでいる人も、やってくる人も、このまちを下町と感じている。
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1945年、旧林田区と須磨区の一部が神戸市長田区となった。商業・娯楽地が集積し、「西新開地」とも呼ばれ、新長田駅南に神戸デパート(廃業)が開業した65年、人口は約21万4千人に上った。阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けるなどの変遷をたどり、2018年10月1日時点で人口は約9万5721人と市内9区で最少となった。一方で、1平方キロメートル当たりの人口密度は8426人と最も高い。
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下町とは-。辞書には「低地に発展した地域」「水陸交通に恵まれ、商工業で発展した町」とある。この概念には当てはまる。
別の住人が言った。「そら、みんなが知り合いっていう距離の近さやろ」。
まちのおばちゃんは、おしゃべりでおせっかい。ラフな服装で市場や商店街を歩き回れる空気が残る。子どもたちが駄菓子屋で遊び、多くの外国人や沖縄、奄美出身者も暮らす多文化地域でもある。
国、人、モノが絶妙なバランスで交じり合い、訪れる人々を寛容なまでに受け入れるまち。特区シリーズ第3弾「長田マンスリー」では、下町にあふれる余情(印象深いしみじみとした味わい/心に残って消えない情緒)を探す旅に出る。(西竹唯太朗)