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BMW R18のスペシャルバージョン、Classic First Edition。タンクに施された伝統の子持ちラインは熟練の職人さんの手描きです。
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BMW R18のスペシャルバージョン、Classic First Edition。タンクに施された伝統の子持ちラインは熟練の職人さんの手描きです。

 BMWというとクルマ、というイメージを持たれる方も多いと思いますが、実はバイクメーカーとしての歴史は四輪車よりも古く、1923年には最初のモデルR32を発売しています。そしてそれからまもなく百周年を迎えようとするなか、2020年にデビューしたのが、R18という「大型クルーザーバイク」です。BMW製オートバイで史上最大という1800ccの水平対向2気筒の巨大エンジンを搭載。その辺によくあるクルマよりも排気量がデカい怪物モデルの走りは一体どんなものなのでしょう。先日試乗する機会がありました。

 「クルーザー」というと、一般的にはアメリカンとも呼ばれるカテゴリーで、名前の通りハーレーやインデアンといったアメリカのメーカーが得意とするスタイルです。ご存知の通り、ハーレーというと大排気量のV型二気筒エンジンで、広大なアメリカ大陸を横断する豪快なイメージですね。今回のR18は、明らかにBMWがその市場を狙っているなあと感じられるモデルです。

■重さ380kg…ちょっと心臓に悪い「ぶるん」

 試乗させていただいたのは「R 18 Classic First Edition」という一番新しいモデルで、ボディは深みのある美しいブラック、タンクにはBMW伝統の手描き子持ちライン。全体にものすごく高級感のある仕上げです。とにかく低く、そして長い車体。片側一気筒あたり900ccという、左右に張り出した巨大なエンジン。車重378kgは、いかに低重心とはいえすごい重さです。最近体力にちょっと不安を感じる筆者、これ本当に乗れるのかな、と少々怖気付きます。

 テールランプはウインカーとブレーキランプが一体化した、最近のハーレーをばちばちに意識した感じのスタイル。一方で車体右側にはプロペラシャフトが剥き出しで見えるように配されて「このバイクはBMWの縦置きフラットツインである」ということを強くアピールしています。

 車体左側のレバーをオンにすると、セルモーターを利用したバック機構が働きます。この重さのバイク、もしもうっかり前が下がった場所に止めてしまったら、それこそなかなか引き出せなくなりそうなので、これはありがたい機構でしょう。

 最近のバイクらしく、エンジンは完全に電子制御されています。出力特性のモードが三段階、一番穏やかなRAIN、ROLL、そして最もパワフルなROCKとあります。最初はROLLで走り出しました。

 縦置きの巨大なエンジンがライダーから見て時計回りに回っているのでしょう、アクセルを煽ると車体が「ぶるん」と左に傾こうとします。トルクリアクションというやつですね。停車中など、このとんでもない車重、「ずるっといったら即立ちゴケ」の恐怖を感じているところにこの「ぶるん」はちょっと心臓に悪いです。

■極太のトルクでぐいぐい進む1800cc

 このエンジン、馬力は91馬力とデータ上はやや控えめなのですが、とにかくトルクが太いです。最大トルクは158Nm/3000rpmですが、2000rpmから4000rpmまでずーっと150Nm以上のトルクをキープするということで、低回転から高回転まで、どの回転数が得意なのか全くわからないほどいつでもどこでも強力なトルクが溢れ出してくる感じです。ライダー込みで450kgを大きく超えている重さを全く感じさせないで、軽々と加速します。

 ちょっと走ったところでモードをROCKにしてみます。いきなり排気音が変わりました。そしてエンジンのレスポンスも全くの別物です。トルクリアクションも強烈で、より一層心臓がバクバクします。アクセルを開けると、何速に入っていてもお構いなしに猛烈な加速を始めます。この重さで止まれるのか、そして曲がれるのか、そんなへっぽこライダーの心配なんて全く意に介さずに。試乗申し込みの時に言われた「車両保険は加入していませんので、壊した時は実費です」というお店の人の言葉が脳内にリフレインします。しかしR18はその間もひたすら力強く、路面のうねりなど全く関係なしにどっしりと安定して、快適に走り続けます。

 街中の細かいゴー・ストップや、狭くて入り組んだ路地などでは正直ちょっと辛いかなあという感じはあります。また、エンジンからの熱気は排気量に比例する、と筆者は常々感じているのですが、その通りかなり熱いです。

 しかし、これはクルーザーバイクです。ほとんど直線の広い道路をひたすら走る時にこそ、最高のパフォーマンスを発揮するのでしょう。これまでハーレーの独壇場だったそのシーンに、新しい選択肢が加わった、ということだと思います。

 新車の本体価格326万2000円。それに値段負けしない威風堂々とした車格と高級感、そしてBMW史上最大のエンジン。これはちょっと、気になる存在なのではないでしょうか。

(まいどなニュース特約・小嶋 あきら)

2021/9/12
 

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