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コロナ禍においての不要不急の言葉は、人流を抑えれば感染抑制に効果があるという前提のもとで使われる(moonrise/stock.adobe.com)
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コロナ禍においての不要不急の言葉は、人流を抑えれば感染抑制に効果があるという前提のもとで使われる(moonrise/stock.adobe.com)

コロナ禍においてよく耳目に触れる言葉に「不要不急」というものがある。ビジネス(企業経営)の世界でもアクションプランの優先順位を検討する際などによく用いられるが、「重要性」と「緊急性」を縦軸と横軸にとって、「高・低」掛け合わしてマトリックス化して考える。

どちらも「高い」ものは優先順位の最も高いものだし、どちらも「低い」ものは「不要不急」、後回しにしてよいだろう。では、緊急だが重要度の低いものと、重要だが急がないものではどちらが優先されるべきか。それは本来、重要なものだ。重要なのだから当然だ。しかしながら、往々にして急ぐものから先に片付けようとして、重要なものが後回しになっているケースがあるのではないか、ということで再考してみようということになる。最適な優先順位をみつけ、限りのあるリソースをどこに投下していくかを意思決定していく「リスク計算」の過程が経営にとっては重要である。

さて、コロナ禍においての「不要不急」についてだが、不要不急の外出は控えるようにといわれる。人流を抑えれば感染抑制に効果があるという前提で外出はなるだけ自粛しようということだ。このことにどれだけの効果があるのかは、申し訳ないが筆者にはわからない。しかし、わざわざ反抗して無駄な外出を繰り返すこともないだろう。出来得る範囲で気をつけるべきだと思う。ただ、あえてひとつだけ付け加えておきたい。

英国のウィンストンチャーチルが戦時中に戦費が嵩み資金調達が必要となった際に、芸術品を換金することを進言してきた者に対して、「そもそも何のために戦っているのか」という意味のことを言って諫めたそうだ。守るべきものがあり、人にはそれぞれ大切なものがある。それは書画や骨董かもしれないし、音楽かもしれない。映画・舞台やスポーツかもしれない。それらはその人にとってけっして「不要」なものではないはずだ。

では、それは生命より大切なものなのかと聞かれるとそうは言わない。ただ、長期間に渡って自粛するようになれば年齢に関わらずその間に寿命を迎える人々が増えていく。新型コロナウィルスに感染したわけではなく、寿命を迎える人々がどんどん増えていくのだ。その人達も、そのご家族方も実に無念だ。それも運命だと言ってしまえばそれまでだが。また、生きながらえることができた人達にとってみても一年半を優に超える期間は人生のなかの貴重な時間に変わらない。

ニューヨークのブロードウェイミュージカルが一年半ぶりに再開されたというニュースを知った。出来る限りの対策をとっても、ゼロリスク、ゼロコロナは困難だろう。もしかしたら、また閉鎖せざるを得ない事態に陥ることもあるかもしれない。そんななかでも、緊急性は低いかもしれないが多くのファンの人生にとって重要性の高い上演を再開することに意義があるのではないだろうか。

◆北御門 孝 税理士。平成7年阪神大震災の年に税理士試験に合格し、平成8年2月税理士登録、平成10年11月独立開業。経営革新等認定支援機関として中小企業の経営支援。遺言・相続・家族信託をテーマにセミナー講師を務める。

2021/9/20
 

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