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ご飯、ご飯の大合唱
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ご飯、ご飯の大合唱

茜ちゃん(生後半年)は、東京都足立区で保護された。不妊手術をしていない雌猫が3、4匹暮らしていたのだが、春に生まれた子猫たちもたくさんいた。たまたま「猫の会」という保護団体のボランティアが現場近くで勤務していたので猫を発見、子猫たちは保護して母猫たちはTNRすることになった。茜ちゃんは子猫の中の1匹で、2021年4月15日頃に生まれたと考えられている。

碧(あお)ちゃん(生後5カ月)は、2021年7月8日、東京都葛飾区で保護された。保護団体「猫の会」に、「数日前からマンションの駐車場で鳴いている子猫がいるから保護してほしい」という依頼があったという。ボランティアが現場に向かったものの、鳴き声はするが姿は見えなかった。声を頼りに探すと、依頼者の車のボンネットの中にいたので保護したそうだ。2021年5月5日くらいに生まれたと考えられている。保護された時、碧ちゃんはとても大人しくしていて、もらったご飯もペロリと食べた。

同じ団体に同時期に保護され、小さな子猫だった茜ちゃんと碧ちゃん。猫の会では、2匹が仲良くなれるよう「お友達作戦」を決行、同室に育てて、2匹ペアにして里親募集した。

■「保護猫を迎えたい」という娘の一言で

Oさん一家は、2002年から2019年までOさんの仕事の都合で中国・上海で暮らしていた。今もOさんは上海で駐在生活を続けている。

2019年に長男の高校進学を機に妻と子供たちは日本に帰国。東京で新生活を始めたが、Oさんだけ上海に残り、月に1度、仕事で1週間帰国するという生活になった。しかし、2020年初頭、突然世界的にコロナが流行し、Oさんは帰国できなくなってしまった。

「その間、高校生の息子、受験を控えた中学生の娘のことなど、家のこと一切を妻がやってくれました。かなりのプレッシャーとストレスがあったことは想像に難くなく、あまり元気がない様子を心配していました。日本でもコロナが流行し、閉塞感漂う生活になったのです」

妻は猫派、Oさんは大の犬派だったが、Oさんは「猫を迎えたら良いのでは?」と提案した。しかし、ただでさえ大変な日常の中、とても世話をする自信がないと妻は乗り気ではなかった。そんな中、2月に娘が高校受験を乗り越え志望校に無事合格。相変わらず自粛生活だったが、妻は少し心に余裕が生まれたようだった。

5月になると、娘が突然「保護猫を迎えたい」と言い出した。

「 いろいろなプレッシャーから解放されていた妻は、気付けば猫をお迎えするモード全開になっていました(笑)」

Oさんは、以前から動物の保護活動に関心があったため、SNSでフォローしている人を紹介した。妻と娘が色々探した結果、猫の会のインスタグラムを見つけ、掲載されたばかりの茜ちゃんと碧ちゃんを見つけたという。すぐに連絡して会いに行くと、茜ちゃんは比較的人懐こく、警戒しながらも一緒に遊んでくれた。碧ちゃんはケージの奥で縮こまっていて、表情も暗く、どこかおびえている感じで、正直一緒にやっていけるか不安だったという。

■碧ちゃん、大胆な茜ちゃんの真似をする

家には猫の会のボランティアが連れてきてくれた。数日間ケージで過ごしていたが、茜ちゃんは外に興味をあるようだった。碧ちゃんはケージの隅っこにうずくまったまま、少し近づいただけでシャーシャー言った。それでも、8月21日トライアルが終了し、2匹は無事家族の一員になったという。

名前は和風の名前がいいと思っていた。茜ちゃんは、毛色や目が赤く、性格も明るく活発なイメージだったのでこの名前になった。

碧ちゃんは、優しい性格に合った名前がいいと思っていた。目が少し青みがかっていたのと、ちょうど見ていたオリンピック日本代表戦に出場していた選手の名前から、いいなと思い、決めたという。

茜ちゃんは茶トラらしい好奇心旺盛で怖いもの知らずの猫で、何でもすぐに覚えてしまうほど賢い。甘え上手で人間のツボをよく心得ている。しかし、家族に心の余裕がないと粗相をする繊細な面も持ち合わせている。

碧ちゃんは、とにかくマイペース。穏やかで優しく臆病だが、何をするにも茜ちゃんの真似をする。大胆な茜ちゃんから学ぶので、最近はどんどん大胆になってきているという。

「初めは近づくだけでシャーシャー言ったので、懐くのに時間がかかりそうに思えましたが、最近は自分の方から寄ってきてピッタリくっつき、じーっと見つめてくるのがたまりません。こんなにも初めの印象から変わるのかとビックリしています」

Oさん家が茜ちゃんと碧ちゃんを迎えてまだひと月(取材当時)。これから一緒にたくさんの思い出を作っていこうとしているが、いつも人間の斜め上を行く反応や仕草をしてくれるので、ネタには困らないという。

■家族の絆が深まった

妻や子供たちは毎日LINEをくれるようになった。

「それまでは妻が1カ月に1~2回ほど送ってくるだけでした。子供にいたっては、LINEの既読すらつかない悲しい状況でしたが、今は毎日連絡をとっています。内容は全部2匹の猫のことです。私がLINEに送られてくる画像を勝手にインスタに投稿し始めたことがきっかけで、最近は家族全員で更新作業をするようになりました」

「もともと仲の良い家族でしたが、送られてくる動画を見ると、みんながいつもリビングで猫と一緒に過ごしていて、本当にこの子達を迎えてよかったなぁとしみじみ思います。私だけは、会えていないんですが…(涙)」

実は、最近、不妊手術に行った時に、女の子だと思われていた茜ちゃんは男の子だということが分かった。

「もともと茜はTNRされる予定だったのですが、女の子と診断され、体も小さかったため不妊手術には時間が必要だと保護主さんのところにしばらくいることになったそうです。ちょうどその時に碧が保護されて一緒にされました。TNRされていたら会えなかった。運命だったと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

2021/10/11
 

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