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昔と今、どちらの労働スタイルが良いのでしょうか?(イメージ)
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昔と今、どちらの労働スタイルが良いのでしょうか?(イメージ)

昔は特別なスキルがなくても本人の頑張り次第で家族をなに不自由なく養うことができた…時代による日本人の労働環境の変化がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは「製造ラインの64歳のおじさんから、人生の話を聞いたら、高卒で入社してから45年間。製造ラインで平社員だったが、深夜残業・土日出勤を厭わず40代で年収700万円以上、持家・車ローンを完済の上、子供2人を大学まで出させて今は孫が可愛いと、かつて存在したユートピアの話をしてくれた」というイチロヲさん(@ichirowo)の投稿だ。

現代の感覚では「ブラック」と一蹴されるおじさんの働き方だが、昭和、平成の豊かな社会はたしかにそういった労働により支えられてきた。

イチロヲさんはさらに

「この話のポイントは、製造ラインは言ってしまえば単純作業で特殊な能力はいらない(体力は必要)ので会社の中では時給当たりが1番安い部類になる。なので製造ライン者は長時間労働を“頑張って”金を稼ぐ。その根性があれば、普通の人が日本の中流と言われるレベルの生活は20年前にはできた訳だ」

「20年前のプロパー社員なら700万円は可能だが、今の社員40代が同じ事をやっても600万円ぐらい。しかも20年前に比べ税金は+50万円ぐらい多く取られる。しかも派遣なら500万円行けば良い方で、不景気にはクビを切られる。」

「昔は、何で能の無いオジサンより仕事してる俺の方が給料低いんだよ!と能力主義に夢を見た事もありましたが、普通の人がそれなりに幸せに暮らしていける制度は実は凄いんではないか、と。
今の能力主義って沈みゆく船の中で我先にと上を目指して他人を蹴落としているようにしか見えないんだな」

と、往時と現代の変化について指摘する。

現代はさまざまな規制が設けられ、労働者の過重労働は大幅に減った。しかしそれは同時に、収入に直結するスキルのない人が稼ごうと思っても規制があるがゆえに果たせないということにも繋がっているのだ。イチロヲさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「働き方改革という名のレベルキャップで長時間労働すら出来なくなりましたからね。時間の切売りさえ出来なくなりました。」

「上の世代は本当にそんな感じですね 下の世代は給与体系も変わって 評価基準も厳しくなって 昇給も少し」

「昔の残業代は今に比べると全然高いらしくて、親の話だと深夜残業1400円だと話にならないそうです。多分二千円以上は払ってもらってたらしいけど、それだけ景気が悪いんです。」

「『深夜残業・土日出勤を厭わず』はユートピアじゃないです。(経験者は語る)」

「全然良いと思わないけどなあ。生涯同じ会社とか飽きるし嫌だし、家族との時間、自分の時間もないとか生きてる意味わからなくなるし…スキル磨けば磨くほどちゃんと金になるし、今に生まれて良かったよ…と思っちゃう。」

などさまざまな意見のコメントが寄せられている。

イチロヲさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):諸々の制約や社会情勢の変化で、このおじさんのような働き方を実現するのは難しくなってしまいました。ここ20年の日本社会の変化についてどのようにお考えになりますか?

イチロヲ:経済を成長させるには「新しい価値の創造」が大事だと思いますが、20年間「コスト削減」が重視された結果だと思います。

特に製造業はコスト削減が正義で、人が行っていた作業は機械に置き換えが進み簡単な操作で製造される部品が多くなり熟練工が不要となった所には安い賃金の人が入り、を繰り返してきました。

リプライで「製造ラインの仕事だってスキルがいる」というような事を言っていた人がいますが、それは正しいです。しかし、入って1週間でこなせるような部分が増えたという事です。教育コストが掛からない仕事は賃金が値下がりしやすい部分でもあります。

海外の労働賃金の安い国に機械化でコスト対抗していたら、労働者は少なくて良くなり、その労働者の賃金も下がったという事だと思います。

中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください

イチロヲ:思った以上に反応があったのと、収入には皆さん色々言いたいことがあるのだと思いました。

◇ ◇

こういった話題が注目されるのは現代の労働者がけっして今の社会のあり方に満足していないからだろう。年々、混迷を続けるこの日本社会。果たして今後どのような道のりをたどってゆくだろうか。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

2021/10/22
 

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