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 今、全国で最も注目が集まる地方議員と言えば、間違いなく無免許で事故を起こした木下富美子都議だろう。鋼のメンタル、厚顔無恥と罵られてもなお居座り続け、議会活動もせず高額な報酬を受け取り続ける姿に、都庁や都議会には4000件の苦情が寄せられ、多くの著名人からも激しく非難され、連日その動向が伝えられている。

 11月9日、木下都議は3度目の召喚状に応じ4カ月ぶりに都庁に顔を出し、12日東京都公安委員会は免許を取り消す決定を行ったことから、事態は大きく動き始めている。事態の収拾を図らねばならない都議会は、18日議会運営委員会にて説明を求めることを決めた。

 実は、これが当人にとって、これまでにない大きな試練になっている。

 なぜ、これが大きな試練というかと言えば、私自身、議員から激しく追及される証人喚問をされた経験があるからだ。私の場合、私の主張が全面的に認められ、何の瑕疵もないことを証明する場になったので、結果的に良かったが、それでも相当神経をすり減らし、そのプレッシャーたるや尋常ではなかった。

 木下都議からすれば、これまでは逃げ続け、ダンマリを決めておけば良かった。公の場で話す機会が増えれば増えるほど不用意な発言が飛び出し、事態はさらに悪化する。だから、公の場には姿を現さず逃げ続けてきた。

 マスコミの取材は自分の方から打ち切ることも出来るし、答えないと逃げることもできる。しかし、議会での追及は逃げ場がない。しかも、辞めさせるために不用意な発言を引き出そうと躍起になる百戦錬磨の議員たちが手ぐすねを引いて待っている。しかも、質疑は一人終われば、次の議員、さらに次の議員と、まさに寄ってたかってのフルボッコ状態で、そのすべての質問に的確に答えなければならない。

 引っ掛け問題ならぬ引っ掛け質問をする議員もいれば、論破型の追及質問を得意とする議員もいる。彼らはとにかく不用意な発言を引き出し、言質を取りたいのだ。そんな議員たちを相手に無傷で切り抜けるなど尋常なことではない。ましてや瑕疵の塊みたいな人が切り抜けるのは無理と言ってもいい。しかも、議会の有無を言わせぬあの張り詰めた雰囲気は同じ議員でも雰囲気に飲まれる。

 私が証人喚問されたのは4期目のそこそこベテランと呼ばれる期数だったが、それでも普段と違う空気に正直戸惑いを覚えたものだ。ましてや2期目になったばかりの都議にとって、堂々と振舞うこと自体無理がある。

 かといって、出席しなければ、それを理由に除名という手続きに入りかねない。出席したらしたで、完全無欠な答弁をし続けるというのもぼぼ不可能だ。そして不用意な発言でさらに事態が悪化する。分かりやすく言えば、本人は滅茶苦茶ビビっているはずだ。

 この一件で都議会は振り回されている。彼女への報酬以上に様々な経費が発生し、本来やるべき議論が停滞する。そして、議会の信頼は失墜を続ける。

 18日を待たずして自ら辞職をすることで一日も早い幕引きを願いたいところだ。いずれにせよ、事態は今後急展開する可能性は高い。

◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。

2021/11/14
 

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