買い物と娯楽しかない街は今後厳しくなる…問題提起に賛同の声続出「お金を使わされることに嫌気がさしている」
2022/03/05 09:05
時代によって街づくりのあり方は変わってゆく(イメージ画像)
少子高齢化、過疎化などの影響で従来とは違ったあり方を迫られる各地の街々。
それを受け、今SNS上では「消費以外の関わりを街に作るべき」という問題提起が注目を集めている。
件の問題提起は地域活動家の小松理虔さん(@riken_komatsu)によるもの。
「まちとの関わりが『消費する』しかないので、そりゃあ自然と『ラウンドワンを作ってほしい』『スタバほしい』になるよなあと。消費する以外の関わりをまちなかに作っていかないと、これからのご時世さらに厳しくなるよな・・・。」
たしかに消費の高揚のみでは、縮小することが明白なこれからの日本社会は成り立たない。福島県いわき市にかまえる個人事務所「ヘキレキ舎」を通し、これまでさまざまな地域のPRやブランディングに携わってきた小松さんならではの鋭い危機感にSNSユーザー達からは
「まちの活性化とは、商業地としての活性化策ばかりで、お金を使わされることに嫌気がさしています。」
「同意です。好きな街へはその場の雰囲気を感じるだけで満足するから、用がなくても行ってしまう。人が入るからという理由で街の雰囲気をそっちのけにして建てられた施設を見ると、悲しくなってしまいます。」
「街住みですが、公園にみんなで作るお庭とか欲しいです。
コミュニティガーデンっていうみたいです。
自然に交流が生まれて良さそう。」
など数々のコメントが寄せられている。
小松さんにお話を聞いた。
ーー今回の問題提起について、具体的にはどのような取り組みが必要だと思われますか?
小松:中心市街地で、商店やオフィスだけでなく、福祉的な場所を作る必要があると思います。いわゆる「サードプレイス」的であり、オープンでパブリックな場所です。
具体的には「居場所」です。ただ、そこにいられる、という場所を作る必要があります。場合によっては、行政や福祉サービスとつながるような機能があってもいいと思います。
ーー小松さまはヘキレキ舎でのご活動を通し、さまざまな形で地域社会に関わっておられますが、今地域社会が抱えている課題や問題点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
小松:地域の課題をひと口に伝えるのは難しいですが、人口減少や少子化、高齢化などはだれもが知る大きな問題です。高齢者や子供たちは、交通弱者でもありますので、駅前や中心部など、交通の便の良いところに居住できれば快適に暮らすことができ、社会包摂も進みます。障害のある人たちにとっても暮らしやすくなります。
経済的な目線ばかりでなく、福祉的な目線で、だれもが暮らしやすい中心市街地を捉え直す必要があると感じます。
ーー今回のSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
小松:似たような思いを抱えている人が自分以外にもいるんだなあ、少なくない人たちが中心市街地の居場所のなさに共感してくれているのだなあと感じました。
◇ ◇
読者のみなさんが住む街は今どのような状況にあるだろうか?社会全体の意識が高まることで少しでも良い形の街づくりが実現することを願いたい。
なお今回の話題を提供してくれた小松さんが関わる静岡県浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツは3月5日に、福祉とまちづくりについて考えるイベント「浜松ちまた会議 シンポジウム まちづくりを考えたら、福祉にたどりついた」を13時半から開催予定。無料配信もしているのでご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)