「30歳で花、60歳で石」 興味の対象の移ろいに共感の声「じわじわくる」「石に思いを馳せる日が楽しみ」

2022/04/09 07:30

ガーデニング(左)=(Alexander Raths/adobe.stock.com)、禅庭園(arkgarden/adobe.stock.com)

「以前一緒に仕事してた建築家の方(60代)に、『若い頃は花なんて興味がなかったけど、30過ぎてから花が綺麗だと思うようになりました』って言ったら、『60を超えるとそれが石になるよ』って言われたのいまだにじわじわくる」。そうツイートしたのは、まるこさん(@malcooooo)。何気ないつぶやきでしたが、同じような話を聞いたことがあると、この投稿は多くの人の共感を呼び10万いいねを獲得しました。

「人は人間に興味を失うと動物に興味が湧き、動物の次は植物に興味が示し、最後に石に興味が出ると聞いたことがあります」
「年を取るにつれて、だんだん動かない物に興味を持つようになると聞いたことがあります。庭の池の鯉から石とか盆栽へとか」
「花鳥風月の次は石になると、確かタモリさんもブラタモリでおっしゃってました!私は今、風~月あたりです。石に思いを馳せる日が楽しみです」
「お地蔵さんの顔も、自分が歳を重ねてゆくにつれて、身近な誰かに似て見えてくると聞いたことがあります。30過ぎてから見たとき…確かにって思ったのを思い出しました!」

投稿したまるこさんに話を聞きました。

ーー若い頃はお花には興味がなかったのですか。

「若い頃は、花なんてどこにでもあるし別に普通じゃん、と思っていて、もっとかっこいいものとか刺激的なもの、前衛的なものを好んでいました。特に前衛性にかぶれていたので、花はその対極にあるものだと感じていました」

ーー30歳が一つの境目だったのでしょうか。

「30歳くらいから、前衛的なものって疲れるなと感じ始めて、ふと花に目を向けた時に良いなと感じ始めました。同じ時期に、音楽の趣味も徐々に変わっていって、激しい音楽とか前衛的な音楽を好んでいたのですが、松田聖子とか80年代ポップスがすごくいいなと感じ始めたりしました」

ーー「60を超えると石になる」が「じわじわくる」と実感されているのですか。

「聞いた当時は、はあ?石?って思ったのですが、数年経ってふと思い出した時に、なるほど石か…と少しずつ思うようになってきたのを、『じわじわ』と表現しました」

ーー興味の対象が変わるというのは、老けるというより成熟するということなのかもしれませんね。

「老けるという表現は私は好みませんが、かと言って成熟というのも違う気がします。人は何歳になったら完成というのはなくて、ただ単に好みや見た目や考え方が移り変わっていくだけだと思っています」

ーー変わっていく自分に会えるのが楽しみですか。

「とても楽しみですし、過去に戻りたいとかも思いません。いつもその時その時を楽しみたいです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)


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