スープ料理「麻辣湯(マーラータン)」や太い春雨などのブームが続く中、「お鍋の名脇役」として知られるロングセラー商品から幅広の麺が登場しました。
マロニー株式会社(本社、大阪府吹田市)が9月1日に発売したチルド商品「平べったい生マロニーちゃん」。
太さは約10mmもあり、レギュラータイプ「生マロニーちゃん」の約5倍。従来品の2つの特長「煮崩れしにくい」「もちもちプリプリ食感」を広幅麺でも出すために、何度も試作を重ね、ようやく理想の食感と食べ応えにたどり着きました。
■「形状の違いでここまで印象が変わるとは」
同社担当者に開発の経緯や売れ行きを聞きました。
──太麺を思い立ったきっかけは。
「マロニーちゃんはお鍋の名脇役としてお客さまから愛されてきましたが、今後はお鍋以外の可能性として『主食』を軸とした提案も考えています。売場目線で見た時に、日配カテゴリー(こんにゃく類)内で同じような幅広形状の麺商品が見当たらず、オンリーワンの商品として訴求できるのではと考えました」
──アジアン料理での太麺人気は意識したか。
「韓国料理などアジアングルメの需要の高まり、特にマーラータンやフォーなどアジアの太麺料理が身近になりつつある中で、マロニーとしても『新しい食シーンに合う麺』をお届けしたいと考え、開発に取り組みました。結果として、『時代にニーズにフィットする新しいマロニーちゃん』として、平べったい形にたどり着きました」
──9月の発売後、売れ行きは。
「順調に推移しており、お客さまからはうれしい声も届き始めています。また、量販店からは今までにない食感が面白く、キムチなどの辛い系や、すき焼きなどの甘い系のスープとの相性が良いという評価をいただきました」
──「お鍋の名脇役」から、「主役」になる手応えは。
「社内でも『カテゴリーの中で新しいポジションを築ける商品』として評価されており、生マロニーちゃんシリーズの新たな展開の起点になるのではという期待の声が多く上がっています。開発担当者は『形状の違いでここまで印象が変わるとは』と主食としての手応えを感じています」
創業75周年を迎えた同社では、マロニーちゃんを知らなかった若い世代や、簡単アレンジ料理を楽しみたい人たちにも広めたいとしており、「今後もマロニーちゃんを主食として食べるという新しい食文化を発信しながら、日常の食卓をもっと楽しくする存在でありたいと考えています」と意気込んでいます。
固形量150g。オープン価格、税別参考小売価格230円。発売地区は東北、関東、東海、北陸、近畿、中四国、九州エリア(北海道、沖縄を除く)。スーパーでの売り場は豆腐やこんにゃくコーナー周辺など。レシピは同社サイト内「マロニーのレシピ」で公開中。
■「♪マロニーちゃん」実は中村玉緒さんのアドリブ
マロニーちゃんは、北海道産じゃがいもでんぷんを主原料に国内製造のコーンスターチ(とうもろこしでんぷん)を配合したでんぷん麺。
かわいらしい商品名の由来は「まろやかに煮える」。社内公募で決まりました。込めた思いには諸説あるそうですが、「『まろやかに煮える』というイメージを持ってもらいたいという願いがあったと言われています」(同社)。
マロニー株式会社は1950(昭和25)年9月、もやし製造業「吉村商店」として創業。1962(昭和37)年、でんぷん麺の基礎研究に着手。1963(昭和38)年8月、「溶けにくいはるさめ」が完成し、「マロニー」と命名。1964(昭和39年)から販売開始。1978(昭和53)年、「マロニー株式会社」に社名変更。
1995(平成7)年、CMに女優の中村玉緒さんを起用。「♪マロニーちゃん」のフレーズは、中村さんが撮影中にアドリブで歌ったものでしたが、親しみのあるメロディーが人気を集め、商品の知名度は一躍全国区に。
2017(平成29)年、ハウス食品グループ本社株式会社の子会社になる。2022(令和4)年、ハウス食品株式会社へ一部国内家庭用事業を譲渡。ハウス食品株式会社は国内家庭用製品販売事業を担当。マロニー株式会社はチルド製品及び業務用ドライ製品、輸出事業を担当。
(まいどなニュース・金井 かおる)

























