スープを飲む田原舞さん(田原舞さん提供)
スープを飲む田原舞さん(田原舞さん提供)

ダンゴムシ状のルックスと最大で全長40cmにもなる深海生物グソクムシ。

今、SNS上ではそんなグソクムシのスープが大きな注目を集めている。

「今日はグソク汁を飲みました」とレビューしたのは深海魚愛好家の田原舞さん(@MLavca)。

近年、一部の愛好家の間でグソクムシはよく食べられているらしい。食材としてはちょっとグロテスクすぎる気もするが果たしてそのお味は…。

田原さんにお話を聞いた。

ーーグソク汁を召し上がった経緯は? 

田原:東京海洋大学品川キャンパスにて行われた海鷹祭にて販売されていました。私は深海魚デザインのブランドを営んでいるため、海鷹祭のマルシェの出店者として参加しており、お昼休みにグソク汁を飲みました。なお「グソク汁」は私が勝手に呼んでいるだけで、実際の商品名は「グソク出汁スープ」でした。

ーー召し上がったご感想を。

田原:大きな鍋の中にオオグソクムシが何匹も入っているという、見る人によっては気絶しそうな光景でしたが、スープはあっさりとした甲殻類の風味で、玉ねぎなども入っており普通に美味しいスープでした。エビに似ているがエビともいえない…でも確実に甲殻類の風味で、グソクムシだけでなく鶏ガラなども入っていたのではないかと思います。グソクムシは可食部が少ないので、こんなふうに出汁を取るのはいいアイディアだと思いましたし、粉砕してビスクみたいにするのも面白いのではと思いました。

ーー投稿に大きな反響がありました。

田原:グソクムシは見た目が見た目なだけに苦手な方もたくさんいると思うのですが、反響があったことをうれしく思います。グソク汁の投稿の数日前に、昨年の海鷹祭で焼きグソクムシを食べた事をXにポストしたら大反響をいただきました。

そして今回、今年新たにグソク出汁スープを飲んだ事を投稿したらまた反響があったのでグソクムシ人気が上がっていることをヒシヒシと感じています。また、私の投稿がきっかけで海鷹祭に足を運んでくださった方が1人でも多くいればうれしく思います。今後も私が大好きな深海生物を多くの方に知ってもらえたらという気持ちで投稿をしていきたいと思います。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「過食部が少なくてもダシとしての道があるのか…!」
「急にグソクムシ料理が増えてきて、まてよダンゴムシも親戚だよな、いやでもあれをくいたくは、でもうまかったら食料資源の革命だ、と悩んでます」
「可食部が少ないけど、確かに出汁取ったら美味そうだなって感じはあった
値段あがちゃったから中々手出しできないけど、今見せたら若い衆から違う反応あるかもな~」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。同様のメニューが出品されるかはわからないが、グソクムシにご興味ある方はぜひ次回の海鷹祭をチェックしていただきたい。

なお今回の話題を提供してくれた田原さんは深海魚デザイン限定のアパレルブランド Lavca.m(ラブカドットエム)を経営しており、さまざまなイベントにも出展している。次回イベント参加は11月22日に横浜みなとみらいで開催される「さかな文化祭」。ぜひ多くの人に足を運んでほしいと思う。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)