どんぐり採集で生計を立てる人がSNS上で大きな注目を集めている。
「45歳にもなって、どんぐり拾って生計立ててるとは、誰が予想しただろうか。どんぐりたけしも真っ青よ…」
とその模様を紹介したのは“野遊びライター”の宮原悠さん(@yuu_miyahara)。
縄文時代ならわかるが、この令和のハイテク時代にどんぐりを集めて暮らしているとは…果たしてどんな仕組みなのだろうか?
宮原さんにお話を聞いた。
--どんぐりが収入につながる仕組みとは?
宮原:このどんぐりは販売目的ではなく、クリスマスリースの材料として収穫したものです。
これから年末にかけて、全国4カ所でリース作りのワークショップを開催予定です。ワークショップは、私がアンバサダーを務めるカシオ計算機の野遊びハウツーサイト「WILD MIND GO!GO!」のリアルイベントとして行うもので、その中にはキャンプファンに人気の「GO OUT CAMP冬」や、愛知県のジブリパークで開催される「開園3周年イベント」も含まれます。
--直接どんぐりを売るのではなく、どんぐりを活用したイベントを通して利益をあげるということですね。このシステムを構築された経緯は?
宮原:本来、こうした自然素材を使ったワークショップは、参加者がそれぞれ自然の中で素材を見つけて作るのが理想です。しかしイベントとして実施する場合、それを現地で全てまかなうのは現実的ではありません。
そこで私たちは「自然体験のきっかけを提供する場」としてワークショップを位置づけ、素材の採取から準備までを自分たちで行い、参加者が自然とものづくりをつなぐ感覚を体験できるよう工夫しています。
本投稿を引用する形で、五更アヤネさんという方がさらに拡散してくださっていますが、私が採取を依頼したものです。
こうした自然物の採取は地域によって事情が異なり、種類によって「たくさん取れるもの」「なかなか取れないもの」があります。私の住む地域では、公園などにマテバシイが多く植えられており、どんぐりは豊富に拾えますが、松ぼっくりなどは簡単には集まりません。
しかも今回は、全体で200組分の材料を用意する必要がありました。私は狩猟を趣味としており、日頃から山野に入り有害駆除などを行っている仲間がたくさんいます。そうしたネットワークを活かし、今回は仲間にも協力をお願いしました。ふざけて「木の実ギルド」と呼んでいます。
--投稿に大きな反響がありました。
宮原:まさかここまで反応をいただけるとは思いませんでした。
目を凝らせば、身の回りの小さな自然の中にも、こうした「落とし物」や「恵み」はたくさんあります。「生計を立てている」というのは、少し冗談めかして書いた言葉ですが、お金という具体的なものが見え隠れすることで、より多くの人の目に留まったのかもしれません。
でも本当は、お金にならなくても、小さな公園に足を伸ばした時や、ふと小川の土手を歩いた時に、少し立ち止まってこうした自然に目を向けてもらえたら嬉しいです。日頃、自然に目を向けることのない多くの皆さんにも、身近な場所にある小さな自然の豊かさや面白さを感じてもらえたらと思っています。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「仕事に貴賤はない!」
「食べるのかと・・・売れるんですか、頑張ってください。」
「胡桃で長者になった地元の人がいます。御殿の様な屋敷に住んでます。どうやら高級和菓子向けで 欠けの無い完全な可食部が良い値段で売れる様です。」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。ビジネスチャンスはどんな所から生まれるかわからないものだ。
なお今回の話題を提供してくれた宮原さんは自然採取から釣り、狩猟に至るまで、自然を愛し、日々の暮らしの中に“外遊び”を取り入れる活動をSNSやメディアで発信。
狩猟用エアライフルの情報を発信するnote「THE 38TUNES(サンパチチューンズ)」や、インタビュー中でも話に出たカシオ計算機の野遊びハウツーサイト「WILD MIND GO!GO!」など話題のコンテンツ多数なので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
























