2023年に父親を亡くした女性が翌年の「父の日」に父親の半生をまとめた動画をInstagramに投稿したところ、注目を集めました。投稿したのは、ぽっちゃりモデルとして活動するチャグさん(@chagu_25)です。「父の日なんて大嫌い」という言葉と共に投稿されたのは、父親の若かりし頃の学生服姿や母親とのデート中の様子、そしてチャグさんに対して見せていた“パパの顔”をおさめた動画。「ファザコン」を自称するほどの“父親好き”であるチャグさんの愛のこもった動画に、「パパさんイケメン」などの声が寄せられました。
チャグさんはたまたまTikTokで親の半生についてまとめた動画が流れてきたのを目にし、「私もパパの動画を作りたい!」と父親の生前から動画編集を始めていたのだそう。
「父の日に投稿しようと思って作っていました。『私のパパもカッコいいんだから!』と自慢したかったのと、作った動画を父にも見てもらい、照れる姿を見たかったんです」
しかし、2023年1月に父親ががんと診断されると、その年はとても動画を投稿できるような気分ではなくなったといいます。そして12月に父親が亡くなると、翌年の「父の日」が近づくにつれて「もうありがとうを伝えられない。何を贈るか迷えないんだ…」と寂しさを感じるように-。それ以来「父の日」という言葉を目にするたび、胸が締めつけられるような思いになっていたと当時を振り返ります。「父の日」にそんな抵抗を感じながらも、「パパが最高だったことを伝えたい」という想いで投稿したのが、今回の動画だったそう。
大好きな父親について、「とにかく家族が一番大切で、母と私に対して“絶対に自分が二人を守るんだ”という思いが強くありました」と話すチャグさん。
「『災難が降りかかるなら全部自分の元に来てほしい』と、いつも願っていたほどです。穏やかで真面目、誠実で不器用で、茶目っ気たっぷり。自分のことよりも『妻や娘が喜ぶことが何より嬉しい』と、心から思うような人でした」
そんな父親との忘れられない思い出について、チャグさんは自身の就職のタイミングを挙げます。
「私は東京アナウンス学院を卒業後、競馬場の場内アナウンスの仕事を経て、現在のぽっちゃりモデルとしての活動を始めました。大学に進み、企業に就職する…という一般的な道とは少し違う選択をしたので、母は心配していたんです。しかし父は、『チャグが決めたならやってみなさい。でも、最後までやり切ること。面倒になってしまったとか、少しくらいの弱音で投げ出すことは許さないぞ。もちろん、どうしてもダメなときはパパとママがいるから安心しなさい』と、背中を押してくれました」
一方で家族思いの父親には、チャグさんの知らない一面もあったのだとか。
「成績優秀で人当たりがよく、気遣いができて顔立ちも整っていた父は学生時代にチヤホヤされていたそう。過去に伯母から聞いたエピソードなのですが、学生時代の父は部活一筋で、女子生徒から騒がれている自覚がなかったみたいです。高校時代には空手で全国大会優勝した経験があり、学級委員長や応援団長など、人をまとめる立場を任されることも多かったそうで、『そりゃあモテるだろうな』と思いました」
父親本人は自身がモテていたことに否定的だったそうですが、チャグさんは母親からも「『顔も良いけど、性格がとにかく良い。真面目で誠実、あんなよか男はなかなかおらんばい』と周囲から太鼓判を押されていた」と交際前のエピソードを聞いたことがあったといいます。
今回の投稿には多くの反響がありましたが、その中で特に印象的だったのは、父親の職場の方から届いたDMだったそう。
「動いているお父さんを見られて嬉しい。亡くなったことをいまだに信じられなくて、受け止められない。お父さんはチャグさんを見守りながら喜んでいるはず。絶対」--。
このメッセージについて、チャグさんは「動画を公開して良かった。親族以外にも父のことをこうやって覚えてくれている人がいるんだ、って思えて本当に嬉しかったです。でももし父がこの投稿を見たら、『こら!恥ずかしいなぁ、もう』と笑ってくれたんだろうな」と語りました。
























