自動車の支払い方法で最も重視する点は? ※AIによるイメージです(N7/stock.adobe.com)
自動車の支払い方法で最も重視する点は? ※AIによるイメージです(N7/stock.adobe.com)

リセールバリュー総合研究所(東京都港区)は、このほど「お金とクルマ」に関する意識調査の結果を発表しました。同調査によると、自動車購入時の支払い方法は、約6割が「現金一括」を選択していることがわかりました。では、自動車の支払い方法で最も重視する点はどのようなことなのでしょうか。

調査は、全国の男女650人(男性324人、女性326人)を対象として、2025年10月にインターネットで実施されました。

はじめに、物価上昇が続くなかで「削りたくない支出」を尋ねたところ、男女ともに1位は「食費」(男性45.7%、女性36.2%)、2位は「趣味・娯楽費」(男性17.6%、女性18.4%)でした。

3位以下では違いも見られ、男性は「家賃・住宅費」や「教育費」(いずれも7.1%)など将来を見据えた支出を重視するのに対し、女性は「交際費」(9.5%)や「健康・美容関連」(9.2%)など日々の心の充実を大切にする傾向がありました。

また、「ガソリン代や交通費の高騰による行動への影響」については、「ドライブなどを控えるようになった」と回答した人は37.4%、「変わらない」は62.6%となり、行動を抑える層と維持する層が拮抗している状況が見て取れました。

次に、自家用車を「保有している/していた」と答えた460人に対して、「自動車購入時の支払い方法」を尋ねたところ、「現金一括」(63.9%)が最も多く、次いで「自動車ローン(ディーラーローンなど)」(19.6%)、「銀行や信販会社のマイカーローン」(5.7%)と続き、ローンやリースなど分割型の支払いを利用する人は全体の3割未満にとどまったほか、「残価設定ローン」(3.5%)や「カーリース」(1.5%)、「サブスクリプションサービス」(0.4%)など、新しい購入スタイルの利用も少数派となっています。

さらに、自家用車を「保有している」と答えた361人に対して、「購入予算の決め方」を尋ねたところ、「貯金額・手持ち資金から逆算した」(44.3%)、「家族・配偶者と相談して決めた」(29.1%)、「月々の返済可能額から逆算した」(21.6%)が上位に挙がり、“背伸びせず、現実に合わせて決める”堅実な傾向が見られました。

また、「自動車の支払い方法で最も重視する点」としては、「一括払いでの割安感(現金特価・割引)」(40.7%)が「金利の低さ」(14.1%)を上回り、物価上昇や金利上昇を背景に、“借りて支払う”より“今払って終わらせる”という志向が強まっていることがうかがえました。

その一方で、「今後の自動車購入を想定した際に希望する支払い方法」については、「現金一括」(42.5%)が最多となったものの、実際の購入時(63.9%)に比べると大きく減少しているほか、「わからない/特に考えていない」層が35.7%に上り、物価高による生活費負担の増加などを背景に、「今は判断を保留したい」「様子を見ながら考えたい」という慎重な消費姿勢が広がっていることが示唆されました。