初挑戦と初防衛、過去3回は初挑戦が優勢 4、5日に有馬で第3局

2020/08/01 16:05

第61期王位戦第1局で、初手を指す初挑戦の藤井聡太七段(現棋聖)。右は初防衛戦となる木村一基王位=愛知県豊橋市のホテルアークリッシュ豊橋

 木村一基王位(47)に藤井聡太棋聖(18)が挑んでいる将棋の第61期王位戦7番勝負(神戸新聞社主催)。初防衛の懸かる木村に対し、初挑戦の藤井は番勝負進行中に棋聖となり、4、5日に神戸・有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で指される第3局からはタイトル保持者同士の戦いとなる。ここまで藤井が2勝0敗と先行。果たして「最年長」と「最年少」の勝負の行方は? 過去の激闘を振り返る。(井原尚基、溝田幸弘) 関連ニュース 有馬名産「炭酸せんべい」、ダジャレで啓発 詐欺や自転車窃盗にご注意 神戸電鉄 鉄道利用者回復で増収増益 24年9月中間連結 室町時代 温泉行記が伝える町、文化 有馬温泉つうしん

 昨年までに挑戦者になった棋士は27人(第1期の大山康晴15世名人と塚田正夫名誉十段は除く)。うち初挑戦で王位を奪取したのは9人。後に王位を獲得する米長邦雄永世棋聖や深浦康市九段らもはね返された。
 一方、木村を除く歴代王位14人のうち、初の防衛戦で王位を守ったのは4人。加藤一二三・九段や郷田真隆九段らが敗れた。
 初挑戦と初防衛戦でタイトルの獲得、維持はいずれも30%前後で、数字上難しさは変わらない。
 では、初防衛と初挑戦が重なるとどうか。過去3回実現。1988年の第29期では、初挑戦者の森雞二・九段が、87年に王位に就いた谷川浩司九段(神戸市東灘区)をフルセットの末に下した。93年は羽生善治九段が、2018年は豊島将之二冠が初防衛に挑んだ王位に勝利した。
 さて、1972年の第13期で12連覇中の大山を止めたのが、初挑戦の内藤國雄九段(西宮市)。翌年、初防衛戦に失敗した。内藤九段は「一般的には防衛が難しいといわれている上、現在の将棋界は藤井棋聖一色に染まっている。だからこそ、木村王位には、のびのび指してほしい」と話す。
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 過去の第3局を2勝0敗で迎えたのは34回。2連勝側がシリーズを制したのは28回を占める。
 数字の上では、ここまで2勝0敗の藤井棋聖が有利だが、木村王位は昨年の第60期王位戦で開幕2連敗の後、第3局で初白星を挙げ、最終的に初タイトルを獲得した。有馬での第3局から目が離せない。

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