時計2015/10/26

教育現場に浸透「情報通信技術」 「電子授業」変わる学校

 教育現場で情報通信技術(ICT)の活用が急速に進んでいる。全国の小中学校や高校などには2015年3月1日現在、9万573台(前年8万2528台)の電子黒板が整備され、児童生徒6.4人に対し1台の割合で教育用コンピューター(PC)がある。タブレット端末も倍増ペースで導入、画面を操作しながら学ぶ「デジタル教材」が授業に使われるなど、ICT教育の可能性は広がる。(中川 恵)

デジタル教材 教員ら注目 習熟度把握、指導柔軟に

通常のコピー用紙にバーコードのようなものを印刷。専用ペンを使うと、紙に書いたそのままがタブレット端末に表示される=6月19日、大阪市中央区大手前、OMMビル 通常のコピー用紙にバーコードのようなものを印刷。専用ペンを使うと、紙に書いたそのままがタブレット端末に表示される=6月19日、大阪市中央区大手前、OMMビル

 今年6月、新しいデジタル教材やICT機器の活用法を紹介する催しが大阪市内であり、教育関係者が最新技術を体験した。

 特に目立ったのが、タブレット端末の活用。メモリーが内蔵されたペンは、コピー用紙に書いた内容をタブレットに映し出す。書いた順に記録されるため、子どもの思考過程やどこでつまずいたのかも一目で分かる。

 タブレット画面に月の満ち欠けや星座を映し出すデジタル教材は、体の向きに合わせて変化していくので、より理解が深まる。

 「未来の教室」と名付けたブースでは、ICT機器により授業の進め方が変わる可能性を示した。講師は、タブレットを通じて聴講者の理解度を確認し、それに応じた説明を加えるなど、臨機応変に授業を修正した。

 参加した三木市教育委員会の担当者は「校務の効率化につながる。ただ、教師と児童・生徒が直接コミュニケーションをとることが基本なので、授業に生かすには工夫が必要」と話した。

兵庫県内 導入校が急増 動画も活用、広がる学び

電子黒板やタブレット端末を使った授業について学ぶ丹波市の教諭ら=8月5日、丹波市山南町和田、和田小学校 電子黒板やタブレット端末を使った授業について学ぶ丹波市の教諭ら=8月5日、丹波市山南町和田、和田小学校

 兵庫県内では、丹波市が2011~13年度、総務省の研究事業としてICT機器を活用した授業を市内2小学校で実施。学習意欲や発表する力の向上につながったことから、14年には全小学校にタブレットを配備した。

 今年8月、教師向けの情報教育セミナーが市内の小学校であり、指導主事の小森真一さん(43)と専門支援員が実践例を紹介した。

 体育では幅跳びなどを動画撮影し、タブレットで再生することで、体の軸のぶれなどを確認。国語では、各自がタブレットに書き込んだ内容を一斉に電子黒板で表示し、より効果的な授業に役立つという。

 小森さんは「ICTは、子どもの学び合いや主体的に学ぶための手段の一つ。教師がそれぞれの授業内容に合わせた使い方を考えてほしい」と話す。

 県内ではこのほか、姫路市が、インターネットを使った調べ学習を進めようと、2013年12月に市内全小中学校にタブレット計約1400台を配備。14年度以降、ICT機器の操作を指導する支援員を派遣し、教師の授業をサポートする。西宮市は市内63校に4800台のタブレットを導入。加東市は09年から電子黒板の普及を進め、全小中学校に計125台を配備している。

郷土学習 本紙が実験事業 タブレット駆使 新聞制作

タブレットのカメラ機能を操作する児童=宍粟市立都多小学校 タブレットのカメラ機能を操作する児童=宍粟市立都多小学校

 教育現場で情報通信技術(ICT)の有効活用策を探る総務省の公募事業で、神戸新聞社は10月から、新聞記事を生かした郷土教育の実験授業に取り組んでいる。

 宍粟市立都多小学校と西脇市立西脇小学校の6年生約90人が対象。NTTドコモと電通の協力を得て、両校へタブレット端末を貸与し、通信環境を整えるなどした。各校5回ほどの授業を行い、来年3月に同省へ報告書を提出する。

 地域の史跡や伝統産業について、関連記事を提供し、文章の書き方も指導。児童は同省が構築しているクラウドのアプリや、タブレットを使い、新聞形式に学習成果をまとめる。

 今回の公募事業は「先導的教育システム実証事業ICTドリームスクール実践モデル」で、33件の申請があり、本紙を含む11件の提案が選ばれた。

教師の活用力が課題 環境整備 自治体で大きな差

タブレット端末の導入状況と電子黒板の整備状況 タブレット端末の導入状況と電子黒板の整備状況

 グローバル社会で活躍する人材育成を目指し、政府の教育再生実行会議は、ICT教育を推し進めるよう提言している。

 文部科学省によると、2015年3月現在、児童生徒6.4人に対し1台の教育用PCが配備されている。うちタブレットの台数は、13年約3万6千台だったのが、15年約15万6千台に急増。電子黒板のある学校の割合も77.9%に上る。

 兵庫県内では、教育用PCは児童生徒6.6人に対し1台で、電子黒板のある学校は85.4%。ただ、県内では市区町村によりPCが14.2人~2.0人、電子黒板は0~100%と整備状況に差があるのが現状だ。

 また、ICT活用に関する研修を受講した教師の割合(14年度)は、全国平均34.7%(前年度31%)にとどまるものの、教材研究や評価などへのICT活用、授業でのICT活用について「わりにできる」「ややできる」とした教師の割合は、それぞれ82.1%と71.4%に上った。

 一方で、兵庫県はともに全国平均を下回り、それぞれ79.3%(40位)、68.4%(34位)。ICTの機器や環境の整備とともに、それらを活用する指導力の向上が課題となっている。

児童たちが作成した新聞はこちら

天気(9月19日)

  • 29℃
  • ---℃
  • 0%

  • 25℃
  • ---℃
  • 0%

  • 29℃
  • ---℃
  • 0%

  • 29℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ