時計2016/01/31

【週刊まなびー】NIE 情報集めから、取材、記事作成、新聞製作まで

学校現場で生かす 情報通信技術

タブレット端末を使って、ばらばらになった記事の段落を並べ替える問題に挑戦する児童=いずれも宍粟市山崎町中野 タブレット端末を使って、ばらばらになった記事の段落を並べ替える問題に挑戦する児童=いずれも宍粟市山崎町中野

 総務省(そうむしょう)の実践(じっせん)モデル事業として昨年10~12月、西脇(にしわき)市立西脇小学校(西脇市西脇)と宍粟(しそう)市立都多(つた)小学校(宍粟市山崎町中野)の6年生計約90人が、情報通信技術(じょうほうつうしんぎじゅつ)(ICT)を活用して郷土愛(きょうどあい)を育む授業(じゅぎょう)に取り組んだ。神戸新聞社の提案(ていあん)にNTTドコモと電通が協力。子どもたちが地域(ちいき)の史跡(しせき)・産業を取材して新聞を製作(せいさく)した。タブレット端末(たんまつ)の機能(きのう)を生かして必要な情報を集めたり、記事を仕立てたり。視察(しさつ)に訪(おとず)れた教育関係者も、ICTが地域の教育に貢献(こうけん)する可能性(かのうせい)を実感した。(中川 恵)

西脇、宍粟の2小学校 地域越え交流も

ネット中継で西脇小の児童と記念撮影する都多小の児童 ネット中継で西脇小の児童と記念撮影する都多小の児童

 昨年12月15日、両校をインターネット中継(ちゅうけい)して交流会が開かれた。都多小で6年生9人が見守る中、スクリーンに西脇小6年生約80人が登場。思わず「めっちゃ多い!」と驚(おどろ)きの声が上がった。

 児童たちが取材したのは、伝統(でんとう)産業や歴史ある建物など。タブレット端末でインターネットに接続(せつぞく)し、歴史やいわれなどについて素早(すばや)く検索(けんさく)。取材に出掛(でか)けた際(さい)はカメラ機能ですぐに写真や動画を撮影(さつえい)し、記事作成では指先一つで写真の貼(は)り付けや文章の修正(しゅうせい)ができた。

 交流会では、完成した新聞や製作の様子を紹介(しょうかい)しあった。取材している際に会社のホームページを見たり、分からない言葉を自分で調べたりできた点について「作業がスムーズ」と好評(こうひょう)だった。

 新聞製作以外にも、修学旅行(しゅうがくりょこう)の報告会(ほうこくかい)、漢字や算数のアプリでトレーニング、ノート代わりなど、さまざまな場面で活用を試みた。児童からは「メモは手書きの方が早い。使い分けが大事だと思う」という意見も出た。

 さらに学校や地域の特色も紹介しあった。都多小は「全校児童が協力しやすく、昼休みはみんなで遊べる」と小規模校(しょうきぼこう)の良さを説明。西脇小は「日本へそ公園や釣(つ)り針(ばり)生産など、まだまだみんなに伝えたいことがたくさんある」と話した。都多小6年の久住輝(きらり)君は「初めは緊張(きんちょう)したけど、終わってみると、もっと話したくなった」と笑顔を見せた。

 この日は、総務省や県教育委員会などの関係者も視察に訪れた。県教委の谷本公子・教育企画課長は、タブレット端末を使うことで児童の興味(きょうみ)関心が高まったこと、新聞製作や発表を通じて表現力(ひょうげんりょく)が育成されている点を指摘(してき)。「両校の先生が協力し、児童が主体的に取り組んでいた。気後れせず積極的に交流している姿勢(しせい)は、今後も必要とされている力だ」と語った。

神戸新聞社提案 ICTモデル事業概要

西脇小児童がICTを活用して製作した新聞 西脇小児童がICTを活用して製作した新聞
 記事を通じ郷土愛を育む

 神戸新聞社は、教育現場(げんば)でICTの有効(ゆうこう)活用策(さく)を探(さぐ)る総務省の「先導的(せんどうてき)教育システム実証(じっしょう)事業ICTドリームスクール実践モデル」事業として、新聞記事を生かした郷土教育の実験授業を提案した。
 同事業には33件(けん)の提案申請(しんせい)があり、本紙を含(ふく)む11件が選ばれた。
 NTTドコモと電通の協力により両校にはタブレット端末を貸与(たいよ)、通信環境(かんきょう)も整えられ、さまざまな授業が展開された。

■機器を使う■

 まずタブレット端末の使い方を教わった。初めてふれる児童も多く、端末上で指を滑らせることで文字や図形を描(えが)いたり、カメラ機能で写真を撮(と)って画像(がぞう)を加工したりするなど、便利さを体感。一方、インターネットにつながることで、公開した画像が悪用されたり、個人(こじん)情報が流出したりする危険性(きけんせい)があることも知った。

■新聞を作るには■

 神戸新聞パートナーセンターNIE(教育に新聞を)推進室(すいしんしつ)の山崎整室長補佐が、新聞紙面を示(しめ)しながら見出しや写真の配置について説明。記事に書き込(こ)む内容(ないよう)について学んだ。取材にあたり必要な情報の集め方について、神戸新聞本社と中継をつないで学習。インターネットを使って探す方法や注意点を教わった。

■取材■

 西脇小では、築(ちく)約80年の木造校舎(もくぞうこうしゃ)や地元の播州織(ばんしゅうおり)を取材した。木造校舎の取材チームは、完成当時に小学生だった人に話を聞き、市民アンケートも実施(じっし)。播州織の取材チームは、西脇市郷土資料館(しりょうかん)や工場を見学し、歴史や製造工程(こうてい)などを学んだ。両チームとも市長インタビューも行った。
 都多小では、地元の神社などを、地域の歴史に詳(くわ)しい人に解説(かいせつ)してもらいながら巡った。ある神社ではオオカミをかたどった「こま犬」、別の神社では夫婦(めおと)ヒノキの由来などについてそれぞれ話を聞き、タブレット端末で写真を撮った。

■記事を仕上げる■
 いくつかの班(はん)に分かれて新聞製作へ。取材した内容を基(もと)に記事を書き、見出しのつけ方や写真をどう配置するかなども考えながら新聞を完成させた=写真。
 各新聞について山崎室長補佐が講評(こうひょう)。西脇小では、見出しにはおおよその内容が分かるよう「大切な要素(ようそ)が詰(つ)まっている」と説明。「未来に残せ木のぬくもり」など児童がつけた見出しを評価した。都多小では、紙面下の広告スペースに「うらない」「悩(なや)みに答えます」などのコーナーを設(もう)けた紙面に対し「工夫している」と述(の)べた。

児童たちが作成した新聞はこちら

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