【特集】ギカイズム 近くて遠い議場の論理
兵庫県と県内41市町の全42議会で、約4割に上った兼業の地方議員。兼業議員の割合と報酬額の相関は、報酬が少ない議会ほど兼業の多さが際立った。業種別では「農業・林業」が最多で2割近くを占め、「卸売り・小売業」が続いた。
各議会事務局への聞き取りによると、42議会の議員数は合計で944人(欠員14)となり、このうち兼業議員は393人(川西市と加東市は10月の改選前)で41・6%を占めた。
自治体ごとの比較では、兼業議員の割合が高いのは全員が別の仕事を持つ香美町。次いで高かったのは、11人(欠員1)中9人が兼業の市川町で81・8%。市では、いずれも77・8%を占めた南あわじ、淡路の両市が最高。2市とも議員報酬は29市の中で少ない月額34万6500円だった。
兼業の状況は71人が「農業・林業」と最多で、「卸売り・小売業」の54人と続いた。「製造業」(40人)、「サービス業」(38人)も次いで多かった。
兼業の状況について、各議会事務局は改選時などに議員からの申告で把握。給与があるかどうかは、資産報告で関連会社の届け出がある県議と神戸市議以外は大半の事務局で確認していなかった。(井関 徹)
2018/11/9露呈した地方自治の危機 4月の統一地方選、関心低く2019/5/24
兵庫の女性議員、昨年9月から21人増 「女性ゼロ」議会は2市に減少2019/5/23
地方議会選、改革が必要 砂原庸介・神戸大大学院教授に聞く2019/5/24
【6】地方の現場 候補者、選挙活動手探り2019/2/8
県内議会の7割 直近の投票率が過去最低2019/2/8
若手議員、選挙ノウハウ共有 岐阜県垂井町議に聞く2019/2/8
【5】議員とカネ 政活費、住民納得の説明を2019/1/11
議員支給額、格差6倍 県内議会の18年度見込み2019/1/11
日本の地方議員報酬、高さ突出 佐々木・中央大名誉教授に聞く2019/1/11
【4】議員のなり手不足 魅力ある町議会へ試行錯誤2018/12/14
県内市町議会の議員定数 20年で半減2018/12/14
なり手不足、魅力ないから 長野・飯綱町議会の前議長に聞く2018/12/14