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【特集】ギカイズム 近くて遠い議場の論理

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日本の地方議員報酬の特殊性を語る佐々木名誉教授=東京都
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日本の地方議員報酬の特殊性を語る佐々木名誉教授=東京都

日本の地方議員報酬の特殊性を語る佐々木名誉教授=東京都

日本の地方議員報酬の特殊性を語る佐々木名誉教授=東京都

 支給額に大きな差がある議員の報酬や政務活動費(政活費)。日本の議員報酬の特徴や、政活費なども含めた適正な在り方について、地方議会に詳しい中央大学の佐々木信夫名誉教授(70)=行政学=に話を聞いた。佐々木氏は「身分報酬と労働報酬、生活給与が入り交じり、世界的に見ても異例」と指摘している。

 -地方議員の報酬は高いのか低いのか。

 「労働報酬としてみると、現状は高い。地方議員の身分はあくまでも非常勤特別職。常勤と位置付けられている国会議員の歳費(給与)とは違う。全国の市議平均の年報酬は約720万円だが、実際に労働する日は各種行事への参加を含めても年平均120日程度で、単純計算すると日額6万円にもなる」

 -なぜ給与でないのか。

 「そもそも地方議会は、広い意味で市民参加の場。代表はボランティアとの考えが根底にあり、仕事を持つ人たちが民意を公共の意思決定に生かすため代表を送り込んで始まった。生活を支える常勤の給与とは考えないのが世界共通の認識だ。そもそも議員は、医師や弁護士などといった専門職ではないのに、日本の報酬は国際水準で見て飛び抜けて高い」

 -議員のなり手不足は課題になっている。さらに報酬を上げれば、解消するのか。

 「確かに高い金額を出せば、それ目当てには集まってくるだろう。ただそれで良い議員が集まるかどうかは保証できない。議員という身分に報酬が付くという考えは世界の常識とは違う。海外では無報酬だったり、月数万円の日当程度だったりする議会が一般的だが、名誉ある公職として積極的に立候補する人が多いと聞く。議員が尊敬できる職かどうか、日本はむしろそこが問題だと感じる」

 -政務活動費は必要か。

 「あった方がいい。だが現状は、立法調査の充実という趣旨から離れ、観光旅行になりがちな視察や、人件費、ビラ代など、適切と思えない使い方が認められており問題が多い。報告書や領収書があればいい、という話ではない」

 「私は、議員立法のための法制局を新たに設置し、政務活動費の半分はその活動に使えばいいと思う。政令指定都市のような大きな自治体は単独で、中小の自治体は共同で設置する。法科大学院出身の若手法律家をスタッフに雇い、条例作成だけでなく、議案の審査もサポートすればいい」

 -議会に出席する度に支払われる費用弁償についてどう考えるか。

 「なくすべきだ。議会活動のために報酬がある。さらに払うのは二重支給だ。もし交通費は報酬に含まれないと考えるのなら、実費支給すればいい」

(聞き手・霍見真一郎)

2019/1/11

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