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【特集】ギカイズム 近くて遠い議場の論理

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地方議会の選挙制度改革について語る神戸大大学院の砂原庸介教授=神戸市灘区六甲台町
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地方議会の選挙制度改革について語る神戸大大学院の砂原庸介教授=神戸市灘区六甲台町

地方議会の選挙制度改革について語る神戸大大学院の砂原庸介教授=神戸市灘区六甲台町

地方議会の選挙制度改革について語る神戸大大学院の砂原庸介教授=神戸市灘区六甲台町

 相次ぐ無投票や投票率の低下などによって危機的な状況にある地方議会。4月の統一地方選を専門家はどう見たのか。選挙制度などに詳しい神戸大大学院の砂原庸介教授(地方政治)に聞いた。

 -無投票が多い。

 「都道府県議選での無投票は1990年代にも増えた時期があった。今回、その数が一層増えたことは特筆すべきことだ。理由は多様だが、一つは自民党以外の政党の強さと関係がある。旧民主党は定数1の選挙区にも候補者を擁立していた。無投票は90年代に増えたが、政権交代に向かう時期に減り、自民の政権奪還以降は増えている。野党の状況と軌を一にしている」

 「農村部などの1人区では現職候補者が強すぎて、対立候補が出にくい状況もある。ライバルを排除する形になり、定数削減などもあって候補者間の競争が減っている。一方で、無投票が拡大している市町村議会では定数が多すぎて候補者が足りず、やはり競争倍率が足りない」

 -投票率も低下した。

 「市区町村議選の場合、何十人もの候補者から1人を選ぶ理由を持たない有権者が増えている。選べないから外見や容姿で決める投票行動をとることも考えられ、候補者もそれを踏まえて行動する『ルッキズム』が幅を利かせていないか。目立つための極端な主張も問題だ。そうして選ばれた議員では意味ある決定を行うのは難しく、政治への関心も下がるだろう。今後、地方自治体で増税などの議論をせざるを得ない状況になると見込まれるが、議会は対応できないと思う」

 -改善策は。

 「選挙制度を変えることが現実的な方法ではないか。代替案として非拘束名簿式比例代表制を挙げたい。候補者への投票を政党ごとに合算し議席を配分する。候補者が多いほど得票として積まれるので、擁立の機運が高まる。都道府県議選なら全県1区にすればいいと思う。都会の人があまり投票しなければ、農村部の高い投票率が生きてくる可能性がある。今回、兵庫県内では合区が注目されたが、この選挙制度なら地方の埋没感も解消できる」

 「統一率を上げることも意味はあると思うが、全国で一斉に選挙をすることになるため、国政政党のラベルで投票する傾向が強まるのではないか。その場合、地域独自の利害を代表しようとする候補者が埋没するのを懸念する」

 -制度改革で変わるか。

 「制度を変えるだけで政治への関心は高まらない。政治に求めることが明確になり、政治の側が対応するというフィードバックがなければ変わらない。そういう意味では、批判もあるが、地域の問題を取り上げて争点化した大阪維新の会という地方政党は大阪の政治を活性化したと思う」(聞き手・井関 徹)

2019/5/24

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