(2)歩くと浮かぶ青春の記憶 神戸市東灘区森北町5
2018/06/14 13:43
うねるような急勾配。足はすぐに鉛のように(撮影・辰巳直之)
■最高勾配19・0% 甲南女子中学・高校の正門前に続く南北道
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急坂の宝庫といえるのだろう。寄せられた情報が多かった東灘区に向かう。
JR神戸線、甲南山手駅から北へ。閑静な住宅街に突如として現れた短い坂。車なら一瞬だが、歩いて上れば、そのきつさに足が鉛のように重くなる。
甲南女子中学・高校の正門前につながるこの坂は、生徒たちから「地獄坂」と呼ばれ、その愛称は代々受け継がれているという。
高校時代の3年間、通学路として歩いた女性(53)=兵庫県西宮市=は部活後、コーラス部の仲間と歌いながら坂を下りた思い出を語ってくれた。「はやっていた、あみんの『待つわ』をハモりながら歩いたなぁ」と懐かしむ。
試験の朝は単語帳を片手に。いてつく冬の朝は滑りそうになりながら。「この坂を歩けば、隣にいた友だちの顔が浮かぶ」と笑う。
急勾配に染みついた、青春の思い出。(上田勇紀)