「ブラック校則」私もNO 果敢に見直し挑んだ女子高校生
2019/08/31 21:06
神戸新聞NEXT
下着は色やデザインまで指定。髪の色が生まれつき黒以外なら「地毛証明書」が必要…。そんな不可解な「ブラック校則」を疑問視する声が高まっている-という記事を掲載(7月2日付朝刊)したところ、無料通信アプリLINE(ライン)を使った神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」やメールなどで続々と意見が寄せられた。多くは「うちの学校にも理不尽な校則がある」という内容で、中には果敢に見直しに挑んだ女子高校生もいた。(鈴木久仁子)
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兵庫県内の高校に通う女子生徒は「制服の下に着るタンクトップやキャミソールの色が白かベージュと決まっている。生地が薄い夏服や体操服はその下のブラが透けて見えるので、すごく嫌」とメールで訴えた。匿名を条件に、その生徒と友人の2人を取材した。
2人によると「黒か色の濃いものにして隠したい」と校内でアンケートをしたところ、多くの女子生徒が賛同したため、学校に申し立てた。だが、学校からは「まず透けることを証明せよ」と返されたという。
「透けている写真を撮れってこと? 一体、誰の写真を?」
「そんなことをしたら、誰にその写真を見られるか分からないよね…」。やむなく唇をかんだ。
なぜ色を指定するのかという問いに対し、「白は伝統と清潔感」と答えたという学校。2人は「透けるのは本当にストレス。校則がなかったら、もっと周りの目を気にせず、伸び伸びと学校生活を楽しめると思う。急に不良になったりしませんよ」と話す。
下着の色が「白指定はおかしい」という意見は他にも複数寄せられた。近隣の中学校が全て同じ校則なのか、「白色の下着ばかり売り切れていた」という保護者の声もあった。
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髪形や髪の色に関する投稿も多く、地毛証明書を巡っては学校現場からも主張が寄せられた。
県内の高校に勤める男性教諭によると、実際には赤く染めているのに「地毛だ」と言って入学してくるケースもあるといい「子どもの頃の写真などで(地毛と)証明できれば、区別ができていい。もともと赤い髪の生徒には安心感が生まれる」と指摘。「われわれも楽だから髪の色を自由にしたいところだが、そんな中学、高校はない。荒れた学校と見られることは間違いない」とみる。
これに対し、カナダ生まれの息子が40年以上前に日本の中学校に転入したという女性(79)は「(当時も)丸刈りや靴の指定などに苦労した」と変わらない現状を憂い、こうつづった。
「『みんな違ってみんないい』の多文化共生の移民の国、カナダでは全く考えられない。生徒の違いを尊重しないブラック校則は撤廃すべきではないか」
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