駅前の植栽、無残に伐採 風景一変、利用者戸惑い「少し乱暴では」 神戸市営地下鉄名谷駅前
2021/04/17 05:30
真新しい切り株が残る名谷駅北出口付近の植栽=神戸市須磨区中落合2
3月下旬、神戸市営地下鉄名谷駅前(同市須磨区)の植栽部分に立っていた8本の木が突然、伐採された。真新しい切り株だけが残り、駅利用者の男性(52)から神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、「無残に切られてしまっているが、理由は何なんですか」との取材依頼が寄せられた。現場に向かうとともに、神戸市交通局を取材した。(森本尚樹)
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現場は北出口を出てロータリーに向かう途中の植え込み。かつては駅ビルの外壁を覆い隠すほど茂っていたという8本の木が、切り株になっている。一変した風景に、通行人の戸惑いも大きいようだ。
通りがかった近くの女性(75)は「剪定(せんてい)もせずに生い茂っていたから、すっきりしたわ」。一方、以前に同駅を最寄りにしていた同市中央区の女性(70)は「春の新緑が気持ちよく、夏は木陰になって涼しかったから残念」と話した。
地下鉄を運営する神戸市交通局を取材した。担当者によると、同駅は現在、美装化・リニューアル事業が決まっており、8本の木は新設する「北館」の工事に支障が出る恐れがあるため、伐採したという。
リニューアルする駅ビルや新ビルがどのような姿になるのかは現在、事業者に提案を募っている段階で、夏には計画が明らかになる。北館は2023年4月、新駅ビルは24年10月ごろの開業を目指す。
取材を依頼した男性は伐採について「移し替えなども検討した上で、やむを得ないので切ったのなら仕方ないが、少し乱暴だと思う」と疑問を呈した。新しいビルには「分断された駅の南北をうまくつなげる設計にしてほしい。利用者の意見も聞いて、丁寧に事業を進めて」と注文した。
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