(1)逆さ地図 迫られる発想の転換

2016/01/16 17:50

地図を逆さに見る。各国の思惑が見える?=西脇市上比延町

 見慣れた世界地図を日本海を軸に逆さにすると、まるで違った現実が映し出される。

 東経135度、北緯35度。日本へそ公園(西脇市)にある「方位の広場」。ドーム状の広場に描かれた世界地図の上に立ち、中国大陸から見てみる。日本海は湖のように狭く、子どもがまたげる近さに日本列島がある。
 太平洋を東に突き進めば、アメリカ大陸。北を向けば中国大陸、朝鮮半島、ロシア・沿海州…。日本からすれば自由で世界に連なる海も、中国にとっては自由に動ける海はごく限られている。
 「防波堤」に見える日本列島を越えるかのように、海洋進出に虎視眈々(たんたん)な中国。尖閣諸島問題も影を落とす。日本では安全保障関連法案の審議が続く。
 歴史的、文化的につながりが深い「一衣帯水」の隣国である日本と中国。地理的な距離は近いが、心理的な距離は近づいたり、離れたり。不信感の高まりは、さざ波をうねりに変えかねない。「逆さ地図」が発想の転換を迫る。(峰大二郎)

 「あの夏」から70年。日常がゆらぎ、移ろう。カメラで追った。

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