▼特徴は?

2019/06/20 16:34

■費用、墓参り負担軽く


 合葬するお墓には、どのようなタイプがあるのだろうか。
 東播地域の例でみると、寺の永代供養墓は個別の納骨スペースに小さめの墓石を設ける「個別タイプ」(1人、夫婦、家族用など)と、それぞれの納骨スペースはなく、最初から他の家の遺骨と一緒に納める「合葬タイプ」がある。個別タイプは一定期間経過後、ほとんどの場合、遺骨は合葬スペースに移される。
 読経などの供養はないが、行政が遺族に代わって管理するのが公営の合葬式墓地。加古川市が日光山墓園内に整備した施設では、遺骨を個別に20年間安置し、その後合葬する。最初から合葬を選ぶこともできる。
 合葬式墓地も永代供養墓も、原則として料金は初回の一括払いで、後々の負担はない。いったん合葬されれば遺骨は返還できない。
 永代供養墓の屋内型ともいえるのが、寺などの「納骨堂」。神戸市兵庫区の遍照光院会下山別院は墓参りのしやすさを追求、自動搬送式を導入した。
 墓参りの家族は墓石が置かれた一室に入り、カードをかざす。すると遺骨の入ったケースが保管場所から自動的に運ばれ、墓石の中央に現れる。モニターには遺影が映し出され、故人が好きだった音楽が流れる。
 同様の墓石は四つだけだが、遺骨は2千家族分を預かることができるという。実質的には多くの家族が同じ墓石に墓参りする形だが、遺影などで家独自の墓があるような気分になるといい、田中康信住職は「お墓のシェアリング(共有)」と表現する。(切貫滋巨)

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