番外編(上) 東播2市2町の特養アンケート

2019/09/16 05:30

神戸新聞NEXT

 神戸新聞社は兵庫県東播2市2町の特別養護老人ホーム(特養)30施設に対し、アンケートを実施した。待機者、職員の人員配置、食費、アピールポイントなどを2回に分けて掲載する。 関連ニュース 「紹介してくれたら150万円」老人ホームが入居してほしい高齢者とは 過剰な訪問看護で得た診療報酬が原資に…医療費が流出している? 灘区の特養「陽だまりの家きしろ」承継事業者、神戸市が募集 運営困難、現法人が譲渡 障害者雇用のロールモデルに 加古川の万亀会に「もにす認定」 特養老人ホームでは県内初

 7~8月に書面で質問した。未回答の1施設を除き、29施設で待機者がおり、269~5人。単純に合計すると延べ3千人超が待機していることになるが、複数の施設に申し込む人や、死亡などで必要がなくなった人も含まれている。
 今年4月時点で東播2市2町の申込者数は計1102人。加古川市は573人が申し込み、うち必要性が高いのは102人で、減少傾向にあるという。
 どのように入所者を決めるかは、国や県がマニュアルを定める。各特養に施設長らでつくる入所検討委員会があり、この委員会が優先順位を付けて名簿を作り、空きが出れば高齢者の現況などから判断し入所者を決める。虐待などの緊急時は手続きを踏まずに入所決定できる。優先順位は、評点に個別の事情も踏まえて決める。
 加古川市が必要性が高いとみる評点の目安は80点以上。例えば、要介護3(40点)、同4(45点)、同5(50点)。在宅サービスを支給限度額の8割以上利用(30点)、6割以上8割未満の利用(25点)、身寄りや介護者がいない(20点)-などと定められている。
 施設によっては運営上の事情を考慮するケースもあるという。ある管理職は「介護度が高いと実入りが良い。逆に、人手が回らず、比較的軽度の入所者が重宝される場合もある」と話す。(広岡磨璃)

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