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神戸製鋼改ざん問題

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 アルミニウム製品などの検査データを改ざんした神戸製鋼所が、日本工業規格(JIS)に違反した可能性があるとして、認証機関が再審査を始めた。神戸製鋼はこれまで「法令違反はない」と説明してきたが、一連の不正を自主点検する過程で、認証機関から法令違反の疑いを指摘されたからだ。2008年に子会社の日本高周波鋼業、昨年6月にはグループの神鋼鋼線ステンレスが、データの捏造(ねつぞう)などでJIS認証を取り消された。10年間で3回目の不正となれば、信頼回復はさらに遠のく。

 「鉄鋼関連製品の取り消しは異例。厳格に試験していると思っていた」

 昨年6月、神鋼鋼線ステンレスのJIS認証取り消しについて、経済産業省の担当者は絶句した。同社はばね用鋼材の試験値を改ざんし、JISを満たしているように偽装した。同省によると、鉄鋼製品の認証取り消しは08年以来で、過去にはほとんど例がない。

 その08年には、日本高周波をはじめ鉄鋼大手のグループ会社などで試験データの捏造が続発。経産省が業界団体の日本鉄鋼連盟に、会員企業の総点検と報告を求める事態になった。神戸製鋼では鉄鋼部門のみの点検にとどまった。

 今回、同社のアルミ・銅部門や子会社では、JIS基準を上回った検査数値を、さらに高い基準に合わせるためにJISの書類を書き換えたとされる。認証機関はこの行為が、JISが求める品質管理体制を満たしていないとみて再審査を進めている。

 データ捏造の要因について、当時の日本高周波社長は「(JISの)試験に長い時間がかかり、出荷数量を優先してしまった」と釈明。神鋼鋼線のデータ改ざんに関して親会社の幹部は「少々強度が弱くても最終製品の品質には影響しないという、誤った考え方がはびこった」と振り返った。問題の両社では原因究明や再発防止策をまとめたが、教訓はグループ全体で共有されなかった。(高見雄樹、井上太郎)

【日本工業規格(JIS)】工業製品の性能や安全性、品質管理などが一定の基準を満たしていることを保証する仕組み。経済産業省に登録した認証機関が審査し、合格した製品はJISマークを表示できる。メード・イン・ジャパンの品質を担保する制度ともいえ、不適合が分かれば認証を取り消され、1年間は再申請できない。昨年取り消された神鋼鋼線ステンレスは現在、再取得を目指している。

2017/10/25

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