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神戸製鋼改ざん問題

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2基目の石炭火力発電所の建設が予定されている神戸製鋼所神戸製鉄所=2016年
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2基目の石炭火力発電所の建設が予定されている神戸製鋼所神戸製鉄所=2016年

 神戸製鋼所が神戸市灘区で計画する石炭火力発電所増設について、経済産業省は4日、二酸化炭素(CO2)のさらなる削減や、地域住民への十分な説明を行うことを求める経産相勧告を出した。同社の環境影響評価(アセスメント)の準備書をおおむね認める形となり、アセスの手続きは最終段階に移る。2021年度以降の発電所稼働に向け計画が進む見通しになった。(藤森恵一郎、竹本拓也)

 神戸製鋼は灘区の神戸製鉄所内に、出力計130万キロワットとなる石炭火力発電所2基の新設を計画。21年度に1号機、22年度に2号機の稼働を予定している。

 勧告は、事前に提出のあった環境相意見を反映させ、兵庫県知事意見の写しを添付した。

 世界的にCO2の排出が多い石炭火力の建設を規制する流れが強まっている中、排出削減の目標が達成できないと判断した場合には、事業を見直すよう要請。また石炭火力で出る排ガスからCO2を回収・貯留する技術「CCS」の導入検討も求めた。

 さらに建設予定地には人口が密集し、既存の製鉄所や発電所があるため、地域住民らの理解が得られるよう十分な説明をするよう促した。

 事前審査で経産省は、この計画について「安価な電力を大量かつ安定的に供給することで、地域経済のさらなる安定・発展に貢献できる」と評価。同社の環境アセス準備書について勧告内容を条件に「妥当」と判断した。

 今後、同社は勧告を踏まえ、最終的な評価書を作成し、経産省に届け出る。同省が審査し確定すれば、環境アセスの手続きは終了する。同社は「勧告の内容を踏まえ、評価書以降の手続きにおいて適切に対応してまいります」とコメントしている。

■経産省の「妥当」勧告に住民ら落胆「国は無責任」

 神戸製鋼所が2基(総出力130万キロワット)の増設を目指す石炭火力発電所計画で、環境影響評価(アセスメント)の準備書に対する経済産業相の勧告を受け、市民グループメンバーらからは「地元の気持ちがなぜ分からないのか」と落胆の声が漏れた。過去の石炭火力発電計画では経産省と環境省が計画に「待った」を掛けたことを踏まえると、今回は双方が事実上「妥当」の判断。増設計画は今後、着工に向けた最終手続きに入る。

 計画を巡っては市民グループ「神戸の石炭火力発電を考える会」の呼び掛けで、住民ら481人が同社など3社と公害調停中。温室効果ガス増や大気汚染、汚水などに懸念している。

 国は温室効果ガスについて2030年度に13年度比26%減、50年に同80%減の目標を掲げる。勧告の下支えとなった環境相意見でもこの点を指摘こそしたが、実質的に同社に改善は要求していない。

 勧告が出る直前の4日午前、同会は環境相意見に対する声明を発表。15年に持ち上がった別の石炭火力発電計画では環境相が「是認できない」と意見したのを引き合いに「反対姿勢を示しながら歯止めになっていない。温暖化対策の取り組みに実効性がないのに、明解な意見表明をしないのは無責任」と批判した。

 住民らは訴訟も視野に、公害調停の場などで懸念を訴え続ける。「神戸公害患者と家族の会」会長で公害認定患者の川野達雄さん(68)=神戸市長田区=は「国の冷静な判断に希望を持っていたが残念」と話し、「それでも私たちの訴えは変わらない。発信し続ける」と強調した。

2018/4/5

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