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神戸製鋼改ざん問題

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神戸国際大教授の中村智彦氏=神戸市東灘区向洋町中9
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神戸国際大教授の中村智彦氏=神戸市東灘区向洋町中9

 神戸製鋼所(神戸市中央区)で昨年10月に発覚した製品データ改ざんは、他の国内大手でも同様の不正が明らかになり、日本の製造業への信頼を揺るがす事態となった。神鋼は不正発覚を機に順法意識や企業統治の浸透、ものづくり現場の体制見直しなどの取り組みを始めている。データ改ざんの背景、今後の対策などを識者に聞いた。(横田良平)

高い自社基準が裏目に

 -問題点は何だったか。

 「非常に高い自社基準を設定して顧客仕様より厳しくする『オーバースペック』への過信だ。日本の製造業にとって大きな誇りだったが、時代が経過する中で『自社基準が高いのだから、仕様に合っていなくても大丈夫』と考えるようになっていた。これは契約面では大問題だ。経営陣が当初それを認識できず、過小評価してしまった」

 -「日本のものづくりへの信頼が揺らいだ」とか「ものづくりの劣化」といった指摘がなされた。

 「納入先が求める仕様の数値をごまかして、日本の製造業に対する信頼を大きく傷つけたことは否めない。実際に消費者に届く完成品に支障が出ていないにしてもだ。さらに悪いのはごまかしや改ざんを長年続けてきたこと。企業統治体制にも疑問を持たれた」

 -信頼回復に向けてすべきことは。

 「神戸の一流企業とされてきたが、事業の変遷の過程で、部門間の風通しが悪い企業風土を形成してきた可能性がある。経営陣が先頭に立って、企業風土改革や法令順守を実行できるかどうかだ」

 -関係する中小企業や地域経済への影響は。

 「製造業は中国や韓国、東南アジア諸国の追い上げが激しい。仮に今後、取引停止などが発生すれば地域経済への影響は非常に大きくなるだろう。『日本製品は世界一』という意識を変え、物事に謙虚に向き合わなければ、蓄積してきた信頼を失いかねない」

【なかむら・ともひこ】1964年東京生まれ。名古屋大大学院国際開発研究科修了。外資系航空会社やシンクタンクに勤務。専門は中小企業論と地域経済論。ものづくりや地域経済振興に詳しく、総務省の地域力創造アドバイザーなどを務める。

2018/10/10

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