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神戸製鋼改ざん問題

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弁護士の上谷佳宏氏=神戸市中央区京町
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弁護士の上谷佳宏氏=神戸市中央区京町

 神戸製鋼所(神戸市中央区)で昨年10月に発覚した製品データ改ざんは、他の国内大手でも同様の不正が明らかになり、日本の製造業への信頼を揺るがす事態となった。神鋼は不正発覚を機に順法意識や企業統治の浸透、ものづくり現場の体制見直しなどの取り組みを始めている。データ改ざんの背景、今後の対策などを識者に聞いた。(横田良平)

内部統制の監視役が必要

 -一連の事態をどう見た。

 「神戸製鋼所は、2002年に和解した利益供与事件の株主代表訴訟で経営陣が非を認めた会社として、本来なら法令順守など内部統制に率先して取り組む立場だった。しかし当時、既に今回の製品データ改ざんは行われており、その後もばい煙問題などが相次ぎ発覚した。過去の経緯と照らし、非常に残念だ」

 -何が原因だったか。

 「内部統制への理解不足や現場の誤った意識など複合的だ。日本企業では、経営トップが内部統制の意義を十分に理解せず、ルールを構築して終わりという会社が少なくない。その後の運用が大事だが、今回はリスクや品質の管理を各部門に丸投げしていた印象だ」

 「現場も、安全性に問題はないからとルールを勝手に解釈した。自分の仕事が航空機部材などに関わっているといった想像力が欠けていたのではないか」

 -再発防止に向けては。

 「報告書の末尾に『確かな品質こそが信頼の核心と心に刻み、再発防止に努める』とある。この認識があるうちに、末端にまで取り組みを広げるべきだ。風化を防ぐためにも、第三者ですべての再発防止策の実施状況や有効性を監視し、継続的に公表すべきだろう」

 -内部統制のあり方は。

 「企業価値の向上のために、統制が正しく構築・運用されているかを監督する社外役員が必要。不祥事予防に向けた研修や社員が声を上げられる環境づくり、不祥事を発見する複線型のシステムも有益と考える」

【うえたに・よしひろ】1954年洲本市生まれ。大阪大法学部卒。83年弁護士登録。兵庫県弁護士会所属。2000年同会副会長。企業の内部統制システムや不祥事対応に詳しい。上場企業の第三者委員会委員長などを歴任。東町法律事務所代表社員弁護士。

2018/10/10

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