阪神電鉄、160日ぶり全線開通 震災から復旧

2095/06/26 17:34

 阪神大震災で不通になっていた阪神電鉄本線御影・西灘間(三・一キロ)が、二十六日始発から運転を再開した。これで同本線(梅田・元町、三十二・一キロ)は震災後百六十日ぶりに全線開通し、JRと阪急に続いて阪神間の主要鉄道が復活した。


 四月一日のJR東海道線、六月十二日の阪急神戸線に続く全面復旧で、不便を強いられてきた被災地の通勤、通学の足がようやく改善され、復興に弾みがつきそうだ。
 震災で阪神電鉄は御影・西灘間の八カ所の陸橋で橋げたが落ち、新在家高架橋(二キロ)の倒壊、石屋川車庫の陥没など、大きな被害を受けた。全線の被害額は同社の年間総売上高の約八割にあたる約五百八十億円に上った。全面復旧は当初、九月末とされていたが、同社は延べ約三十万人を動員し、二十四時間態勢で復旧にあたり、沿線住民の協力もあって大幅に工期を短縮できた。橋脚柱は三百六十五本を新設、すべての柱に鋼板を巻くなどの補強をした。
 この日は始発から震災前とほぼ同じ一日五百九十五本のダイヤで運行。乗り入れ運転している神戸高速鉄道新開地・高速長田間が依然として不通のため、梅田・新開地間の折り返し運転となった。
 主要ターミナルの三宮駅では、二十二日に全線開通した神戸電鉄など新開地方面からの乗客に加えて、大阪・梅田、阪神方面からの通勤・通学客らの人波が戻ってきた。乗車率は三宮・梅田間で最高一五〇%に達した。

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