六甲ライナー全通 鉄道網、218日ぶり完全復旧

2095/08/23 11:30

被災地の”痛勤”終了
 阪神大震災で不通となっていた新交通システム・六甲ライナーの住吉-魚崎駅間(一・二キロ)が二十三日運転を再開、二百十八日ぶりに全面開通した。これで、寸断された被災地の鉄道網はすべて復旧した。

 同ライナーは、神戸市東灘区のJR住吉駅と人工島・六甲アイランド間(四・五キロ)を結ぶ新交通システム。震災で寸断された阪神間の鉄道網は、四月一日にJR、六月十二日阪急電鉄、同二十六日阪神電鉄、七月三十一日ポートライナーと次々に全線開通したが、同ライナーは住吉駅がほぼ全壊、橋げたや橋脚が傾くなど大きな被害を受け、被災地の公共交通網の中で、最も復旧が遅れていた。
 住吉駅ではこの日、始発前にホームで工事関係者ら約二十人を招き、おはらいをして安全運行を祈願した。午前七時すぎからは通勤客のラッシュが始まり震災前の風景が戻ってきた。
 同アイランド第三仮設住宅に七月から入居する主婦鮫島ミネ子さん(71)は「区役所や病院などへ行くのに便利になった。バス代やタクシー代の出費が減って大助かり」と喜んでいた。
 同ライナーは五月十二日に島内、七月二十日にアイランド北口・魚崎駅間が運転を再開。住吉駅の復旧工事に手間取り市街地区間のみが不通になっていた。
 全通初日の二十三日は係員が添乗、二十四日午前十時からはコンピューター制御の無人システムで自動運転する。ダイヤは始発(マリンパーク発)が午前五時四十分、終発(住吉駅)が二十三時五十二分。震災前と同じダイヤで運行する。
 なお、定期券の発売、二十二日に廃止された代替バスの回数券、定期券の払い戻しは、同ライナー魚崎駅定期券発売所まで。

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