兵庫県、激甚被災地で空前の人口減 国勢調査速報
2095/12/15 17:39
兵庫県は十四日、十月一日現在で実施した国勢調査の速報値を発表した。阪神・淡路大震災で、神戸市の人口が今年一月一日の推計値に比べて約九万七千人減ったほか、激甚被災地の十市十町で、十四万七千人という空前の人口減を招いていることが分かった。九〇年の前回調査に比べても、被災地は九万一千人の減少となる。三田、加古川、明石、姫路市などは前回調査を大きく上回る人口増を記録したが、県全体の人口も、今年一月比で十二万五千人、前回調査比でも三千百五十人減少した。一九二〇年(大正九年)に始まった同調査で、県人口減少は、過去、終戦をはさんだ四七年(昭和二十二年)調査で一度記録しただけだった。
調査は、仮設住宅など十月一日現在の住所地で行われ、外国人を含む県人口は約五百四十万二千人。九〇年調査を基に、住民票の移動を加減した今年九月一日の推計人口は五百四十六万六千人だったため、約六万四千人が今も住民票を残したまま、県外に出ている計算になる。
一月の推計人口に比べた減少幅は、神戸市の東灘から須磨区に至る既成市街地六区で最も目立ち、計十三万三千人にも達した。阪神間でも、西宮の三万三千七百人、芦屋の一万千八百人をはじめ、尼崎、伊丹、宝塚を含む五市で計五万五千二百人減少。五市と六区の合計は十八万八千人と、中規模都市に匹敵する人口が流出している。
減少率も、大火災に見舞われた神戸市長田区が二五・五%と、四人に一人。灘区も二一・七%と五人に一人余りの住民が転出、灘、兵庫、長田三区の人口は、そろって十万人の大台を割った。芦屋市も一三・六%、七人に一人の人口減。
一世帯あたりの人数は二・八九人と、前回(三・〇二人)より〇・一三人減少。初めて三人台を割った。性別人口も、男性が女性の九三・七%(前回九四・一%)と過去最低になり、七〇年の九七・一%をピークに低下が続いている。