市民活動の助成団体 「しみん基金・KOBE」設立

2099/05/14 15:39

 阪神・淡路大震災の被災地で活動するNPO(非営利組織)と神戸青年会議所などが十三日、市民や企業から寄付を集め、NPOの活動に助成する「しみん基金・KOBE」(理事長=黒田裕子・阪神高齢者・障害者支援ネットワーク副代表)を設立した。市民が主体となる草の根の助成団体は全国で初めて。七月にNPO法人格の取得を兵庫県に申請、早ければ今年中に助成の受け付けを始める。


 設立発起人の代表は、黒田理事長と、神戸青年会議所の瀬戸口仁三郎理事長、被災地NGO恊働センターの村井雅清代表。三人を含め、市民、経済界、学識者から選んだ十五人で理事会を構成し、コープこうべ名誉理事長顧問の高村勣氏を顧問に迎える。
 基本財産三千万円、運用財産五千万円を目標に、昨年十一月、設立準備委員会が発足。三月末で終了した被災地の助成団体「阪神・淡路コミュニティ基金」から三千万円の寄付を受けるほか、一般寄付も五百万円に達している。現在、青年会議所を通じ、企業への協力を呼びかけている。
 助成対象は、県内を中心とする地域の団体で、被災地支援に限らず幅広い分野の活動を支える。学識者らによる審査委員会を設置し、一年に二回程度の助成を予定している。審査基準、限度額などは未定。
 寄付は、基金に使い道を任せる「一般寄付」、助成分野を指定できる「指定寄付」、寄付者の名前や目的を名称に冠する「冠基金」の三種類を設ける。
 事務所は、神戸市中央区の旧・小野柄老人いこいの家を神戸市が提供。中央区ボランティアセンター(分室)との共同拠点で、六月にオープンする。
 黒田理事長は「被災地には多くの問題が残されているが、地域で活動する市民団体の基盤は非常にぜい弱。行政に頼るのではなく、市民自らが立ち上がり、支え合う仕組みを作る必要がある」と話している。

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