阪神・淡路大震災 発生から11年で被害全容確定

2006/05/20 16:27

 兵庫県は十九日、阪神・淡路大震災による住宅の一部損壊や公共施設の最終的な被害個所数などを発表した。再調査で一部損壊は、神戸市の十二万六千百九十七棟が初めて計上されるなど、被災地全域の二府一県で、これまでの約一・五倍にあたる三十九万五百六棟となった。震災から十一年を過ぎてようやく被害状況がすべて確定した。 関連ニュース 九州豪雨 被災地支援へ準備本格化 兵庫県内 子育て世代の防災冊子作製 神戸市とP&Gが協力 9カ国の行政職員 神戸・新長田のまちづくり視察

 昨年十二月の前回発表から修正されたのは、住宅被害の一部損壊▽公共建物や倉庫などの全半壊▽公共施設の被害個所数▽火災件数▽焼損棟数-など。人的被害や住宅の全半壊は確定している。
 一部損壊は税制などで優遇措置の対象となっているため、り災証明の発行が続くことを理由に、神戸市は確定数を報告していなかった。
 昨年の優遇措置終了で、県内市町が再調査し、神戸市以外の八市町でも六百七棟増え、計十二万六千八百四棟増加。震災の住宅被害は、一部損壊を加え、全壊(十万四千九百六棟)、半壊(十四万四千二百七十四棟)と合わせて六十三万九千六百八十六棟になった。
 火災は二百九十三件となり、焼損棟数は七千五百七十四棟、焼損床面積は約八三・六ヘクタールだった。
 また、市町ごとに基準が違った公共施設は、基準を統一し、文教施設が九百三十四カ所増の千八百七十五カ所、道路は二千八百二十四カ所減の七千二百四十五カ所となった。(畑野士朗)

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