学校・園の追悼関連行事、過去最多に 震災12年

2007/01/12 08:23

 阪神・淡路大震災から丸十二年を迎える一月を中心に、追悼関連行事を開く学校・幼稚園が過去最多になることが、「市民による追悼行事を考える会」のまとめで分かった。直接の震災体験がない世代の子どもたちに、教訓や防災意識の継承を目指す取り組みが多いという。また、今年は震災による犠牲者の十三回忌に当たるため、寺院による法要も目立つ。(畑野士朗)


 同会は、被災地のNPOや各種団体が呼び掛け人となり、市民が自主的に取り組む追悼関連の行事を継続し、根付かせようと一九九八年に発足した。
 同会によると、今年の追悼関連行事は六十件で、昨年の六十三件から微減した。過去最高は震災十年の百一件だった。
 これとは別に、県内の学校と幼稚園で関連行事を行うのは過去最多の千二百八十校園。県内全校園の56%が実施し、被災地以外の地域での増加が目立つ。行事の種別では「防災教育・避難訓練」が最も多く、同会は「震災の教訓を伝えていこうという気持ちの表れでは」としている。
 また、今年が仏教での節目に当たる十三回忌になることから、大規模な法要行事を行う寺院も多い。十七日正午に鐘などをつく寺院・教会・廟(びょう)は昨年の百六十八件から大幅に増えて二百三十六件になる。神戸港などでは、三十五隻の船舶が汽笛を鳴らす。
 一方、商店街やスーパーなどでの黙とうは昨年の五百七十五件から五百六件に減少している。
 同会は「世代を超えて震災を語り継いでいくことが犠牲者への追悼になる」と行事への参加を呼び掛けている。

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