難病患者の災害時支援 兵庫県がマニュアル

2007/01/16 08:40

 兵庫県は、自宅で人工呼吸器を使用する難病患者が災害に遭った場合を想定し、個別の対応マニュアル作成を始めた。災害時の要援護者の中でも、特に命に直結する危険性がある人たちに特化したもので、全国でも初めての取り組みとなる。


 二〇〇四年の台風23号災害などで、人工呼吸器を使う在宅難病患者の支援のあり方がクローズアップされた。兵庫県内の市町は、国の避難支援ガイドラインに基づき要援護者のリスト化などに取り組んでいるが、難病患者は県が先行的にマニュアル整備を手掛けた。
 兵庫県内には、筋委縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病など難病指定され自宅で人工呼吸器を使う患者が約八十人いる。うち保健所政令市の神戸、姫路、尼崎、西宮の四市を除く県健康福祉事務所で把握するのは四十八人。昨夏から各事務所の保健師が、患者や家族、主治医らと話し合いながらマニュアルを作成し、現在三十一人が完成した。十五人が三月末までにできるという。
 マニュアルは、想定される災害ごとに対応方法を確認。非常用バッテリーの持続時間など、人工呼吸器の電源確保の方法などについて記述する。緊急時に患者や家族が速やかに対応できるようにしている。
 また、兵庫県の働き掛けに応じて保健所政令市四市も、同様のマニュアルづくりの準備を始めており、早期整備に向け連携を図る。(畑野士朗)

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