61人、60歳以上が9割 災害復興公営住宅の独居死
2013/01/12 18:48
阪神・淡路大震災の災害復興住宅で、1人暮らしの入居者が誰にもみとられずに亡くなった「独居死」は、2012年の1年間で61人に上ったことが分かった。仮設住宅が解消した00年以降で最少だった11年よりも25人増え、60歳以上が約9割を占めた。死後1カ月以上経過して見つかったケースも2件あった。(井関 徹)
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兵庫県警の検視結果などを参考に神戸新聞社がまとめた。00年1月以降の13年間で、復興住宅での独居死者数は計778人となった。
12年の内訳は男性41人、女性20人。平均年齢は73・9歳で、最高齢は91歳の男性と女性、最年少は20歳の男性だった。60歳以上が56人となり全体の92%を占めた。死因は病死が52人と最多で、転倒などの事故死が2人、自殺が5人などだった。
全体の約6割に当たる35人が死後24時間以内に見つかった。一方で2人は死後1カ月以上が経過。そのうちの1人、神戸市須磨区の県営復興住宅の女性(77)は、隣人が郵便ポストに配達物がたまっているのに気付き、ようやく発見された。
発見者は隣人や知人が21人と最も多く、家族が9人、警察が4人など。10人は水道が12時間以上使われなかった場合に作動する警報で見つかったという。
地域別では、神戸市41人▽西宮市9人▽淡路市5人▽芦屋市3人▽尼崎市2人▽川西市1人-だった。