復興住宅の「独居死」 13年、46人すべて50歳以上

2014/01/11 22:08

 阪神・淡路大震災の災害復興住宅で、1人暮らしの入居者が誰にもみとられずに亡くなった「独居死」などは、2013年の1年間で46人に上ったことが分かった。仮設住宅が解消した00年以降で最少だった11年の36人に次ぐ少なさ。全員が50歳以上で、80代が最多の20人を占め、死後1カ月を経過して発見されるケースもあった。 関連ニュース 震災避難10万人下回る 避難指示解除が影響、復興庁 熊本地震の復興「手伝って」 4町村、都市から職員採用へ 民進2トップ被災地入り 復興重視アピール

 兵庫県警の検視結果などを参考に、神戸新聞社がまとめた。00年以降の14年間で復興住宅での独居死者数は計824人となった。
 46人の内訳は男性20人、女性26人。最高齢は93歳の女性、最年少は55歳の男性で、平均年齢は78・3歳だった。全員が50歳以上で、60歳以上は42人と全体の91%を占めた。
 死因は病死が34人と最多で、浴槽でおぼれたり食べ物をつまらせたりした事故死が7人、病気を苦にした自殺が2人などだった。
 半数以上の25人が死後24時間以内、3割の14人が2~10日以内に見つかった一方、2人は発見まで死後1カ月以上が経過していた。神戸市灘区の男性(68)は部屋から異臭がするのに隣人が気付いて通報し、34日後に発見された。
 発見のきっかけは、水道が12時間以上使われなかった場合に作動する警報装置などで7人が見つかり、6人はポストに新聞や郵便物がたまっていた。
 発見者は隣人・知人と家族がともに最多の10人で、警察官が6人と続いた。介護ヘルパーやケアマネジャー、宅配業者らが見つけたケースもあった。
 地域別では、神戸市34人▽芦屋市4人▽西宮市4▽尼崎市2人▽宝塚市1人▽明石市1人-だった。
(井関 徹)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ