二つの震災被災地が共演 神戸でメモリアルコンサート

2014/01/17 18:27

東日本大震災をテーマにした絵画を背景に開かれたメモリアルコンサート=神戸市中央区小野浜町1(撮影・吉田敦史)

 芸術を通して阪神・淡路と東日本の二つの震災被災地に心を寄せようと、神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO=きいと)で17日、メモリアルコンサートが開かれた。宮城県在住のピアニスト2人が神戸の声楽家や19年前に被災したピアノと“共演”した。 関連ニュース クロマティ氏が野球教室 復興支援に大リーグが協力 秋篠宮さま、佳子さまが宮城訪問 全国高校総合文化祭に みなとこうべ海上花火 打ち上げ増で人出1・5倍予想

 KIITOでは、5日から宮城県出身の画家加川広重さん(37)の東日本大震災をテーマにした作品の展示会を開催。最終日のこの日、作品を背景に演奏会が企画された。
 初めに、名取市の高橋侑子さん(29)のピアノと神戸市のソプラノ歌手松岡万希さん(36)が共演。原発事故後の心情を表した和合亮一さん=福島市在住=の詩に、高橋さんが創作したメロディーを乗せた。続いて、仙台市の松坂優希さん(32)が幻想的な音色でドビュッシーなど7曲を演奏した。
 いずれも、阪神・淡路大震災で壊れたが、修復でよみがえったピアノが使われた。神戸市垂水区で被災した東京都在住の女性(63)は「当時を思い出して胸が詰まったが、希望の光も感じた」と話した。(鎌田倫子)

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