借り上げ住宅 国の補助継続
2014/01/21 16:43
阪神・淡路大震災で自宅を失った高齢者や低所得者に向け、兵庫県や被災自治体が20年を期限に民間や都市再生機構(UR)から借り上げた復興公営住宅(借り上げ住宅)について、一部の入居者を対象に継続入居が認められたのを受け、国からの補助が継続されることが20日、分かった。
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借り上げ住宅は、被災地に大量の住宅を早く供給するため、公営住宅法を改正し、復興住宅として活用してきた。兵庫県や神戸市など県内の被災5市、大阪府豊中市に計約8千戸が供給され、県内には今も4708世帯が入居する(2013年11月末現在)。2015年度から順次、返還が始まる。
民間と公営住宅との家賃の差額は、震災特例として当初の5年間を4分の3、6~20年目は3分の2を国が負担している。
借り上げ住宅の入居期限は20年とされ、ほかの被災者との公平性や財政負担などを理由に自治体側が返還を求めているが、一部の入居者が反発。これを受け、各自治体は重度障害者や要介護3以上の高齢者の入居継続を認めたり、5年間の猶予期間を設けたりし、神戸市はシルバーハイツなど特別仕様の住宅買い取りを決めた。国に対しては、補助の継続を求めていた。
国土交通省によると、各自治体が返還期限後もURなどと再契約し、借り上げ住宅として運用を続ける場合、補助継続を決定。ただ、震災特例は廃止され、国の補助は2分の1に減額、残りは各自治体が負担する。
同省住宅局総合整備課は「震災特例が必要な状況は終わったと考えるが、居住の安定を図るための補助は継続する」と話している。(木村信行)