30歳に継承のバトン 1・17希望の灯り 代表理事交代

2014/06/22 23:28

新たに代表理事に就いた藤本真一さん(前列右から2人目)と前代表理事の堀内正美さん(右端)=神戸市中央区加納町6

 神戸市のNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」(HANDS)の総会が22日、三宮・東遊園地で開かれ、代表理事が俳優の堀内正美さん(64)から会社役員藤本真一さん(30)=神戸市北区=に交代した。20~40代の3人も新しく理事に就任し、組織は一気に若返った。堀内さんは一会員として活動に参加する。藤本さんに意気込みを聞いた。 関連ニュース 九州豪雨 被災地支援へ準備本格化 兵庫県内 子育て世代の防災冊子作製 神戸市とP&Gが協力 9カ国の行政職員 神戸・新長田のまちづくり視察

 「これまでの歴史の重みと責任を感じ、身が引き締まる思い。期待と不安でいっぱいです」。前身のボランティア団体以来、活動をリードしてきた堀内さんから託されたバトンは重い。藤本さんはそう語る。
 阪神・淡路大震災当時は小学4年だった。自宅に被害はなかったが、父に被災地に連れて行かれ「よく見ておけ」と言われた経験が忘れられないという。
 2011年、東日本大震災の被災地を支援する同法人のプロジェクトに参加。12年には理事になった。高齢化が進むメンバーから、当時20代だった藤本さんに寄せられる期待は大きかった。
 世代交代の必要性を痛感していた堀内さんの誘いもあり、代表理事就任を決意。「僕の次に若い理事が50代。このままではいけないと思った」
 毎年「当たり前のように」開かれる東遊園地での追悼行事も、同法人の地道な取り組みがあったからこそ今の姿がある。「堀内さんの代で終わらせてはいけない。今ある形を引き継いでいく仕組みづくりが当面の僕の務め」と力を込める。「若い世代に震災の記憶を伝え、次の災害に備える。そんな活動を目指したい」(黒川裕生)

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