阪神・淡路 被災地の歩み学び継承、ユースセミナー

2014/07/11 12:27

阪神・淡路大震災について学ぶセミナーを企画し、講師の小林郁雄・兵庫県立大特任教授(右)と話し合う神戸大大学院生の宮崎智己さん=神戸市中央区元町通4

 阪神・淡路大震災の復興やまちづくりを若者が学ぶ「ユースセミナー」を、神戸大学の大学院生らが企画し、今月から、こうべまちづくり会館(神戸市中央区元町通4)を主会場にスタートした。来年の震災20年を前に「経験していない世代も被災地の歩みを共有したい」と計画。来年1月まで全8回で、東日本大震災の被災地の高校生も神戸に招く。(磯辺康子) 関連ニュース 九州豪雨 被災地支援へ準備本格化 兵庫県内 子育て世代の防災冊子作製 神戸市とP&Gが協力 9カ国の行政職員 神戸・新長田のまちづくり視察


 神戸大大学院工学研究科の宮崎智己(ともみ)さん(25)=同市灘区=らが企画した。
 宮崎さんは広島県出身で、東日本大震災翌年の2012年、震災への理解を深めようと山口大学から神戸大に編入。阪神・淡路について、教訓の継承を担う若い世代が学ぶ必要性を感じたという。
 セミナーは、7月6日に初回を実施。兵庫、大阪の大学などから36人が参加し、兵庫県立大の小林郁雄特任教授に神戸のまちづくりの歴史や震災復興について聞いた。
 24日からは8日間、岩手県大槌町を訪れ、東日本大震災の復興について住民らと意見交換。8月以降は、阪神大水害(1938年)などの映像上映、六甲山の砂防ダム見学を通し、震災以外の災害についても学ぶ。
 11月には、大槌町の高校生と一緒に神戸の街を歩き、復興について議論。最終回となる来年1月18日は、セミナー参加者による報告会を開く。
 宮崎さんは「自分たちは阪神・淡路に関する知識が乏しく、今のままでは次の世代に震災を伝えられない。セミナーを通し、後輩への継承についても考えていきたい」と話す。
 参加無料。交通・宿泊費は自己負担。一部だけの参加可。高校生、社会人も参加できる。同セミナー事務局TEL078・361・4523(水曜休)。

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