震災20年 「生きる力」の教育誓う 遺族、教職員ら追悼の夕べ

2015/01/18 10:04

「しあわせ運べるように」を合唱する神戸市立桂木小学校合唱団の児童=神戸市中央区中山手通4

 阪神・淡路大震災で亡くなった児童・生徒と教職員をしのぶ「追悼の夕べ」が17日、神戸市中央区のラッセホールで開かれ、遺族や教育関係者ら約300人が参加した。 関連ニュース 九州豪雨 被災地支援へ準備本格化 兵庫県内 子育て世代の防災冊子作製 神戸市とP&Gが協力 9カ国の行政職員 神戸・新長田のまちづくり視察

 兵庫県教職員組合の主催。震災で命を落とした県内公立幼稚園、小中高校の児童・生徒は296人、教職員は22人に上る。兵教組の泉雄一郎委員長は、犠牲者の名前が刻まれた銘板の前で「生きる力を育む教育実践を進めます」と誓った。
 芦屋市津知町の自宅が全壊、父親を亡くした関西大4年小島汀(おじまみぎわ)さん(23)は、20年たった今の思いを語った。
 県立舞子高校(神戸市垂水区)環境防災科で学び、東日本大震災の被災者支援に取り組む小島さん。恩師や同様に親を亡くした仲間、東北で知り合った人たちとの交流に触れ、「父を亡くしたことで得た出会いに感謝の思いが強くなった」。今は子どもの防災教育に関するボランティアに携わり、「防災とは、人と人とのつながりを大切に毎日を生きることだと思う」とした。
 会場では、神戸市北区の市立桂木小学校合唱団が「しあわせ運べるように」を合唱。教員らのグループがリコーダーやサクソホンを演奏した。(武藤邦生)

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