寄り添い 支え合い
見守る 家族のように

梅原加代さん (60)
災害復興住宅生活援助員/明石市

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寄り添い 支え合い
見守る 家族のように

梅原加代さん (60)
災害復興住宅生活援助員/明石市

 生活援助員は復興住宅に1人で暮らすお年寄りの「見守り役」です。でも私は、もともとごく普通の主婦。自宅に近いからという軽い気持ちで応募したので、正直仕事に対する使命感は希薄でした。

 だから最初は戸惑いました。16年前、ここに入居したのは、被災した上にいろんな事情を抱えて再起しようとする人たち。つらい思いをしているから、嘆きも深い。人生を戻してほしい、元の場所で暮らしたい...そんな言葉を聞くたびにおろおろするばかりでした。とにかく何でも話してもらおう。そう決めて必死に日誌をつけました。ノートはいつも文字でびっしりでした。

 最初に入居した41戸は転居や介護施設への入所、亡くなられた人もいて今は18戸です。初めは軽い気持ちだったけど、一緒に歩いてきた自負があります。

 今は週5日、去年から仲間になった同い年の池田優子さんと交代で勤務しています。主な仕事は巡回安否確認。体調を聞いて病院を紹介したり、家事を援助したりします。

 普段「梅ちゃん」って呼ばれてます。うれしいですね。定年まであと5年。家族みたいな雰囲気を大事にしたいです。(宮路博志)


2014年5月22日掲載
写真撮影場所:

パートナーの池田優子さん(左)と=明石市二見町、市営東二見住宅