安隨尚之(あずい・なおゆき)さん (35)
災害救助犬訓練士/伊丹市
安隨尚之(あずい・なおゆき)さん (35)
災害救助犬訓練士/伊丹市
災害救助犬と一緒にがれきや土砂の中から生存者を捜すのが仕事です。新潟県中越沖地震、東日本大震災、広島土砂災害などの被災地で活動しました。
地震の現場では断続的に余震が続き、不安を抱えたまま作業をします。でも、犬の癒やす力はすごい。恐怖感も犬と一緒だと薄れるし、被災地の人たちも笑顔を見せてくれます。
阪神・淡路大震災の時は中学3年で、三木市内に住んでいました。ゴーッという音で目が覚めました。揺れが来て、階下で母の悲鳴が聞こえました。どこまで揺れが大きくなるんだろう、という恐怖感に襲われました。それからは引き戸を開ける音などに過敏に反応するようになりました。今も近くをバスが通ると鼓動が激しくなります。
訓練士になったのは、人の役に立ちたくて、動物が好きだったから。避けることができない天災に立ち向かわなければ、という意識もありました。
普段は犬を鍛えたり、講習を開いたりして「その日」に備えています。経験を積むほど、不明者の家族の「早く見つけてあげて」という声が身に染みます。この仕事の厳しさをあらためて感じています。(聞き手・山崎 竜)
=おわり=
伊丹市下河原2、日本レスキュー協会