兵庫の思い 東北へ
児童の元気 復興の芽に

野路保正(のじ・やすまさ)さん (59)
神戸市立真野小学校長/神戸市西区

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兵庫の思い 東北へ
児童の元気 復興の芽に

野路保正(のじ・やすまさ)さん (59)
神戸市立真野小学校長/神戸市西区

 東日本大震災直後から、仙台の子どもたちを神戸に招待するプロジェクトの実行委員長をしています。
 始めた時は神戸市須磨区のだいち小の校長でした。新設校でしたが、保護者や住民に阪神・淡路大震災で被災した人がたくさんいました。「あの時の恩返しがしたい」「できることがあったら言って」と、募金の呼びかけにも協力的でした。
 そのお金で、夏休みに児童40人を招待できました。神戸の街を見て「仙台も復興できると希望がわいた」と話してくれました。
 2年前に今の小学校に異動しましたが、ここでも募金を募り、招待を続けています。「自分にできることを考えて行動しよう」と心がけているからです。
 原点は、やはり20年前の震災です。
 当時、勤務先の小学校に被害はなく、神戸市長田区にある前任の小学校の避難所へ応援に行きました。当初は倒壊家屋からの救出も手伝いましたが、助け出した時には亡くなっている人もいて、無力感ばかりが募りました。
 ただ、そんな中でも、子どもたちの元気な姿は避難所に活気を与えていたんです。私ができることは、被災地の児童を招待して、元気になってもらうこと。それが東北の復興につながると信じています。(聞き手・後藤亮平)


2015年2月19日掲載
写真撮影場所:

神戸市長田区苅藻通3、真野小学校